ここ数年の、甘酒ブーム ですよね。
「 夏も、冬も、甘酒は常に常備 !! 」
そんな方が、私の周りにもいます。
男性もいますが、特に女性に人気がありますね。
店頭にも、様々なメーカーの甘酒が並んで、好みの ブランド まで選べるようになってますよね。
ボトルのロゴもおしゃれになっていて、やはり女性層のお客さんを意識しているんでしょうね。
江戸時代にも、甘酒が夏の栄養補給として、よく飲まれていた事が文献に残っています。
そんな、歴史ある「栄養ドリンク甘酒」
でも・・・
「 夏バテに、本当に、効果があるの? 」
「 甘酒って、そんなに摂って大丈夫なの?」
と疑問がわいてきます(笑)
また、実際に、飲んでみたら・・・
「太ってしまった・・・」 「栄養不足で肌が荒れた・・・」
などとならないように、甘酒の栄養成分、そして効能を、きちんと調べお伝えします。
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甘酒には2種類ある
甘酒の成分、栄養価をお伝えする上で、気をつけなればいけない事があります。
それは、甘酒には二種類あるということです。
二種類ある甘酒
- 米麹(こめこうじ)から作る甘酒
- 酒粕(さけかす)から作る甘酒
酒粕タイプについては、それ自体は糖分が少ないので、砂糖を混ぜているものが多いです。
米麹タイプも、砂糖を混ぜているものがあります。
ここで紹介するのは、甘みの添加物を一切加えない「米麹のみの甘酒」についての栄養成分です。
尚、米麹と酒粕の違いについて、詳しく知りたい方は、別で記載していますので、こちらをどうぞ!
⇒ 甘酒 米麹と酒粕の違い
米麹の甘酒の栄養成分
以下の、表が甘酒100ml(コップ一杯程度)あたりの栄養成分です。
比較のため
現代の栄養ドリンク ・カロリーメイト缶
を並べてみました。
カロリーメイトは、意図的に栄養バランスをとっている食品です。
甘酒を、これと比較させることで
「栄養成分の種類」
「栄養成分の量」
が適当かどうかを見れますよね。
早速、見てみると・・・
■栄養成分の種類
甘酒では、次の「ビタミン類」が摂れません。
ビタミンA / ビタミンB12 / パンテトン酸 / ビタミンC / ビタミンD / ビタミンE
ミネラル類は、ナトリウム、カリウムをはじめ、まんべんなくありますね。
逆に、カロリーメイトには無い、亜鉛、銅、マンガンなども摂ることができます。
■栄養成分の量
さすがにカロリーメイトよりは、かなり劣るものの、そこそこは摂れていますね。
さて、結論としては・・・
これだけとっていればよいというほどの、高栄養食ではない。
「自然食品」という事を考えれば、非常に優秀だと思います。
また、「糖質」以外は、極端に突出した栄養成分も無いので、摂りすぎによる危険もありません。
ある程度の量を、継続的に飲んでも安心ですね。
糖質には注意
甘酒は、少し糖質が高いので、摂りすぎは注意が必要です。
各飲み物の100mlあたりの糖質は以下の様になっています。
このカッコの中のカロリーに注目しておいて下さい。
- 甘酒(米麹) : 18 g (72 kcal)
- コーラ : 11 g (44 kcal)
- オレンジジュース : 11 g (44 kcal)
- ミルクココア : 75 g (300 kcal)
※ 糖質の量は、小数点以下を四捨五入。 オレンジジュースは、100%ストレート又は濃縮還元のもの
厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2015」によると
糖質の摂取基準の目標量は一日の摂取総カロリーの50~65 %
(年齢、性別に関係ありません)
以下に例をあげます
一日の総摂取カロリー : 「1500 kcalの人」「 2000 kcalの人」 「 2600 kcal の人」
総摂取カロリーの58% とする
【1500 kcalの人】 1500 kcal の 58 % ⇒ 870 kcal
【2000 kcalの人】 2000 kcal の 58 % ⇒ 1160 kcal
【2600 kcalの人】 2600 kcal の 58 % ⇒ 1508 kcal
成人男性・女性の一日のカロリーは、年齢、運動量などの身体活動レベルによって違いますが、
ふつうの身体活動レベルで、以下のとおりとなります。
成人男性 : 2600 kcal 成人女性 : 2000 kcal
甘酒は、一杯 72 kcal でしたら、あまり多く飲むと影響が出そうですね・・・
尚、食事で摂取する、糖質のカロリーは、例として以下の様な感じです。
・ 食パン : 28 g ( 110 kcal )
・ おにぎり : 45 g ( 180 kcal )
・ カレーライス : 130 g ( 520 kcal )
・ 明太子クリームスパゲティ : 80 g ( 320 kcal )
糖質を押さえた生活というのは、なかなか難しいですよね。
甘酒も、そういう点では注意して飲むようにしたいです。
特に注意したいのは、さっきも言いましたが、甘酒には米麹のタイプでも、砂糖を添加しているものがあります。 購入する際には、気をつけててください。
夏バテの効果は
では、本題でもある 夏バテに効果はあるのか? について見て行きます。
先ほどの表をもう一度見てください。
表の一番下側の、赤い字で書かれている栄養成分が、「夏バテ」に効果のあるとされているものです。
中でも、ビタミンB1は、不足すると糖質を上手くエネルギーに換えられなくなるため「疲労」の原因になるといわれています。
これら夏バテに効果のある栄養成分の「1日の摂取推奨量」は、以下の通りです
(左が成人男性、右が成人女性)
- マグネシウム : 360 mg 290 mg
- ビタミン B1 : 1.4 mg 1.1 mg
- ビタミン B2 : 1.6 mg 1.2 mg
- ビタミン B6 : 1.4 mg 1.2 mg
- ビタミン C : 100 mg 100 mg
年齢によって多少の違いはありますが、推奨量としては、おおむねこの値となります。
残念ながら、 甘酒からは、ビタミンC の摂取はできません
それ以外の栄養素は、ある程度、補給する事ができますね。
しかしながら、これでは、「甘酒だけ飲んでいればよい」 という程の量は摂れません。
食事から、きちんと栄養を摂った上で、あくまで「補助的に」 という感じです。
欲を言えば、もう少し「ビタミンB1」があると嬉しいんですけどね・・・(笑)
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まとめ
甘酒は「飲む点滴」などとも言われています、栄養成分が似ているんだそうです。
しかしながら、そもそも点滴だけで必要な栄養が摂れて、健康的な生活は送るということは出来ません。
成分が似ているということは、「甘酒」もそれだけ飲めばよいという、完全栄養食ではありません。
その事は、カロリーメイトとの比較でも、分かったかと思います。
以下に、「甘酒の栄養に関する事」 について、まとめます。
- 栄養面だけ見るのであれば、カロリーメイトなど栄養食品の方が効率的
- 食事でしっかり栄養を摂っている方が、補助的に飲むのには効果的
- 夏バテには一定の効果が期待はできる
ただしビタミンCは別で補給する必要がある - 甘酒の摂りすぎは、糖質の摂りすぎにつながるため注意
- 甘酒の購入は、米麹だけで作られていて砂糖を添加していないものを選ぶ
あとがき
自然食品として、これだけの栄養素が摂れるというのは素晴らしいですね。
日本のお酒造りに見られる、醗酵(はっこう)の文化の力をあらためて感じました。
江戸時代においてのスーパー栄養ドリンクも、現代では、純粋に栄養成分だけを考えると
もっと効率的に摂取できるものがあります。
ただ、栄養環境が現代の様には良くなかった江戸時代においては、夏バテ解消のために
安く手軽に飲める甘酒が、いかにもてはやされたかがよく分かります。
今年の夏は、一日1~2杯を摂ろうかと考えています。
しっかり、食事をして 甘酒で補給!これで「夏バテ」知らずな生活を送りたいと思います。
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