日差しが強くなりましたね。
UVケアには、日焼け止めが、かかせませんよね。
それにしても、日焼け止めに書かれているSPF20 とか SPF50
それに、PA++ とか PA++++
これって一体何のことでしょうか?
よく言われているのが、効果の持続時間
しかし、実は、コレ
効果の持続時間ではありません。
それじゃ、 SPF と PAとは、いったい・・・?
そんな 「 日焼け止め」 のSPFとPAに ついて、まとめました。
SPFやPAを語るには、まず「日焼けそのもの」 について知る必要があります。
「日焼けの種類」 から見ていきましょう。
日焼けの種類
日焼けの種類と言われても、すぐにはピーンと来ませんよね?(笑)
日本語では、「 日焼け 」という言葉しかありません。
しかし、英語では次の2種類の日焼けを表す言葉があります。
- SUNBURN (サンバーン): 赤くなる日焼け(紅斑)
- SUNTAN (サンタン) : 黒くなる日焼け
赤くヒリヒリするけど、数時間から数日で消えるのが「サンバーン」
黒くなって、数週間から1月程度で消えるのが「 サンタン 」
この日焼けの違いって、一体 なぜ起きるでしょう?
次に紹介する、紫外線の種類にその答えがあります。
紫外線の種類と日焼け
紫外線(UV:UltraViolet)の中で日焼けに関係するものは、次の2種類です。
UV-A | UV-B |
【特徴】 ・地表面に届く紫外線の 約92% ・皮膚の真皮に到達する ・シワやシミなどの | 【特徴】 ・地表面に届く紫外線の 約8% ・皮膚の表皮に到達する ・皮膚の炎症、DNAを壊し |
【日焼け】 ・ サンタンの原因となる | 【日焼け】 ・ サンバーンの原因となる |
2種類の「日焼け」は、それぞれ、2種類の「紫外線」によって
起きていることがわかりました。
さて、日焼け止めに書いてある、2種類 SPF と PA とは・・・
2種類つながりで、なんとなく見えてきましたね(笑)
SPF と PA とは?
SPF も PA も、日焼け止めの紫外線に対する効果を表しています。
PA | SPF |
【特徴】 ・UV-A を防ぐ効果の指標 ・ 「 + 」が多いほうが効果が高い PA < PA+ < PA++ < PA+++ < PA++++ | 【特徴】 ・UV-B を防ぐ効果の指標 ・ 数値が大きいほうが効果が高い SPF10 < SPF30 |
さて、それでは、いよいよ SPF の「数値」の意味、PA の「 + 」の意味 について
どいういうものか見ていきましょう。
SPF ・ PA の測定
SPF値・PA値ともに、基本的な測定方法はほぼ同じです。
人工的な光源で、紫外線(UV-A・UV-B)をつくり、それを被験者に当てて測定を行います。
まずは、SPFの測定から見ていきましょう。
SPF の測定
被験者の、以下の2種類の皮膚に紫外線を当てていきます。
- 素肌のままの状態
- 日焼け止めの試料を塗った状態
下図の A 、B、C ・・・ と アルファベット順に
紫外線(UV-B) の「照射量」を上げます。
試料の塗布量 : 2 mg/c㎡ ± 2.5%
【SPF測定】 照射後 20 ± 4 時間 経過後
【 PA測定 】 照射後 2 ~ 4 時間経過後
そして、照射後、一定時間を置いた後に、日焼けの判定を行います。
SPF測定の場合は、UV-Bが主な紫外線ですので、赤くなった部分(紅斑)が出た場所です。
図の例では、黄色い矢印がある場所( B と I )です。
SPF値は、B と I の紫外線照射量から簡単に求められます。
B = 1.2 (試料無し の 紫外線量)
I = 38.0 (試料有り の 紫外線量)
SPFは、次の式で、求められます。
SPF = 試料有りの紫外線量 ÷ 試料無しの紫外線量
= 38.0 ÷ 1.2
= 30.4
SPFが、30.4 と分かりました。
ただの割り算で出ます(笑)
実際の測定には、10人以上で実施し、その平均をとります。
続いて、PAですが、測定の仕方は同じです。
PA の測定
SPF測定の違いは、紫外線がUV-Aではなく、UV-B の光源になります。
そして、UV-A の特徴である、黒くなった部分で比較します。
式も、まったく同じです。
但し、計算結果を、PAの数値から 「+」に置き換えています。
PA の値 2 以下 PA
PA の値 2 ~ 4 PA+
PA の値 4 ~ 8 PA++
PA の値 8 ~ 16 PA+++
PA の値 16 以上 PA++++
SPF と PA の測定方法については以上です。
あっけなかったですか?(笑)
結局のところ、SPF と PA って、一体何でしょう?
SPF と PA とは一体
SPFとPAの意味は・・・
同じ紫外線量を受けたら、日焼け止めを塗っている肌は、
素肌の場合より 〇分の1 しか、紫外線の影響を受けない。
この、〇分の1 の 〇 に、SPFとPAの値が入ります。
では、SPF 30 は、どういう意味でしょうか?
素肌が日焼けする紫外線量の、約30倍の紫外線(UV-B)量に ならなければ
日焼け(サンバーン)はしないということです。
それでは、PA +++ とは、どういう意味でしょうか?
さっきの表でいけば、PA+++は、PA値 8~16 です。
つまり、素肌が日焼けする、約8~16倍の紫外線(UV-A)量にならなければ
日焼け(サンタン)はしないということです。
「 SPFの数字って、日焼け止めの効果の持続時間に関係するって聞いたけど?」
という方、多くいると思います。
次に、この誤解について、見ていきましょう。
SPF と PA の効果の持続時間!?
これには、おそらく次の2種類があります。
- 完全な誤解パターン
- 目安として使っているパターン
まず、完全な誤解パターンからです。
完全な誤解パターン
SPFの後に続く「数値」は、その日焼け止めの効果の持続時間を表している。
例) SPF30なら30時間、 SPF50 なら50時間 の効果が続く
これは、完全な間違いなのは、分かりますよね?
SPF値は、素肌と日焼け止めの保護力の比 です。
では、次に、目安として使っているパターン
目安で使っているパターン
SPF30 の場合には、 20分 × 30 = 600分(10時間) 効果が続く
これは、素肌の人が、一般的に日焼けするのに20分程度かかるとして、
30倍の日焼け防止効果があるので、600分 効果が持続するといっています。
それなりに、理屈はあっているようには思えますが、これも、間違いです
紫外線量の防御力(SPF・PA)が、そのまま効果の持続時間にはなりません。
日焼け止めの効果の持続時間
同じ紫外線量を、仮に1時間で受けた場合と、10時間かけて受けた場合に
同じ様な、効果が得られることは、SPF・PA測定では、保証されていません。
また、日焼け止めは、時間と共に劣化し、効力を失っていきます。
そして、それ以上に、実際には、日焼け止めは、汗で落ちてしまったり、
ハンカチやタオルで 拭いてしまったりして、取れてしまいます。
どんな SPF 、PA の日焼け止めを使ったとしても、一般的に 持続時間は
2~3時間程度です。
本当に、日焼けを防ぐには、こまめに塗り直すことが重要です。
日焼け止めの塗り方については、別の投稿記事を参照してください。
⇒ 日焼け止めクリームの塗り方!押さえておく3つのポイント
日焼け止めの使用シーンについて
最後に、SPF・PA と、使用シーンの関係についてお伝えします。
ただし、敏感肌の人などは、必ずしもここに、そのまま当てはまるとは限りません。
また、季節や場所などによっても紫外線量は変わりますので、あくまで
参考程度として下さい。
まとめ
- 日焼け
- サンバーン(赤くなる日焼け )
- サンタン (黒くなる日焼け )
- 紫外線
- UV-A
真皮に届き、サンタンを引き起こす。
シワやシミなどの老化現象を誘発する。
- UV-B
表皮に届き、サンバーンを引き起こす。皮膚の炎症や、皮膚がんを誘発する。
- UV-A
SPF と PA
- 素肌の場合と比を表す(何倍保護するか)
- 効果の持続時間を表す数値ではない
- 日焼け止めは2-3時間おきに塗り直す
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