新劇場版 破 ヱヴァンゲリヲン  各々三人の関係性             (5.加持の帰還、アスカの同居)


この内容は完全にネタバレになります。
映画をまだ見ていないという方は注意願います。


前回は、アスカとの対面、そして加持との対面のシーンでした。続々と主要人物が登場していきます。今回は、エヴァンゲリヲン 新劇場版:破の5回目、NERV(ネルフ)に戻った加持が、リツコやミサトと再会するシーンから始まり、アスカがミサトの家にシンジと共に同居するシーンまでを見ていきたいと思います。

前回分をご覧になっていない方は、是非、ご覧ください。

【前回】新劇場版 破 ヱヴァンゲリヲン  加持のチャラさは、まさか、あのキャラ? (4.アスカ・加持との対面 )

 加持との再会、リツコとミサト そして、アスカの同居

 とにかくチャラい加持

加持
「少し痩せたかな?リッちゃん」

リツコ
「残念、1570gプラスよ」

加持 
「肉眼で確認したいな」

リツコ
「いいけど、この部屋、監視されているわよ?」

加持
「ノン・プロブレム。既にダミー画像が走ってる」

リツコ
「相変わらず用意周到ね」

加持
「負け戦が嫌いなだけさ」
 
リツコ
「でも、負けよ。怖~いお姉さんが見ているわ」

リツコ
「リョウちゃん、お久しぶり」

加持 
「やあ、しばらく」

ミサト
「何でアンタが、ここにいるのよ!ユーロ担当でしょ!」

加持
「特命でね、しばらく本部付さ。また三人でつるめるな。学生の時みたいに」

ミサト
「昔に帰る気なんてないわよ!私はリツコに用事があっただけなの!アスカの件、人事部に話し通しておいたから。じゃ!」

リツコ
「ミサト、あからさまな嫉妬ね。リョウちゃん、勝算はあるわよ」

加持
「さて、どうかな?」

 三人の関係性を簡潔に説明

このシーンは、短いシーンですが、加持とミサト、そしてリツコとの関係を想像も含めて、実に簡潔に伝えているシーンです。

冗談であってもリツコを後ろから抱きしめる加持に対し、あからさまな嫉妬を見せるミサト。

三人が学生時代からのつきあいがあること、そして、リツコの、「ミサト、あからさまな嫉妬ね。リョウちゃん、勝算あるわよ」という言葉、それに対する加持の「さて、どうかな?」という回答で、3人の関係が、よく見えてくるシーンです。

加持がミサトの所に直ぐに寄らず、リツコの所に最初に立ち寄ったことが、ミサトと加持の関係の難しさを物語っています。

しかし、加治は相変わらず、とてつもなくチャラいキャラクターとして描かれています。
この場面では、顔つきまではルパン三世の様にはなっていませんが、やることなすことなんだか実態が曖昧で、最後の、「さて、どうかな?」というセリフで、ようやく加持本来の実態が垣間見れる、ギリギリそこに加持がいるということが分かるシーンです。

この表面的なチャラさが、後で真の加持の姿を見せる効果を高めるためなのでしょうが、あまりにチャラく描き過ぎてしまっているように感じるのは私だけでしょうか?(笑)

1キロ以上も体重が増えていることを気づかず、痩せた?っていう事からも、全くリツコには興味が無いことも自明なシーン。
リツコも、それは当然分かっていて、大人の対応。

そんな大人な二人に対して、「昔に帰る気なんて無いわよっ!」って噛みつくミサトだけが、実は昔のままで変わっていないという状況。


 アスカの同居

シンジ
「式波・アスカ… エヴァに乗ってて嬉しい人もいるんだ」

シンジ
「ただいま、って、なんだこれ!?僕の部屋が!」

アスカ
「失礼ね!私の荷物よ」

シンジ
「じゃ僕の、あれ?なんで式波がここにいんの?」

アスカ
「あんたバカぁ?あんた、お払い箱って事よ。ま、どっちが優秀かを考えれば当然の結論ね」

シンジ
「そんな…」

アスカ
「しかし、どうして、こう日本の部屋って狭いのかしら?荷物が半分も入り切らなかったわ。おまけに、どうしてこう日本人って危機感足りないのかしら? よくこんな鍵のない部屋で暮らせるわね。信じらんない」

シンジ・アスカ
「うわぁ~!!」

ミサト
「日本人の心情は、察しと思いやりだからよ」


シンジ
「ミサトさん~」

アスカ
「うっとおしいわね。ゴミと一緒にさっさと出ていきなさいよ」

ミサト
「あら、シンちゃんもここに残るのよ」

アスカ
「え~!?」

ミサト
「アスカとシンちゃんに足りないのは、適切なコミュニケーション。同じパイロット同士、同じ釜の飯を食って仲良くしないとね」

アスカ
「ふんっ!」

ミサト
「これは命令よ」

ミサト
「はい!みんなで一緒にー、ご馳走様でしたっ」

ミサト
「ぷっは~!くぅ~っ!やっぱ、ひとっ風呂浴びた後のビールは最高ねぇ~!」

PEN2
「クワッ」

アスカ
「きゃぁ~っ!な・な・何か変な生き物がお風呂にいる~!」

シンジ
「ははっ。ペンギンって言う鳥だよ。名前はPEN2」

シンジ
「あっ・・・」

アスカ
「ん?・・・ って、いやぁ~! このH!バカ!変態!信じらんない!」

ミサト
「二人とも素直になってきて、いい傾向じゃない? ねぇ、PEN2」


アスカ
「あいつらとは違~う、私は特別… だから、これからも、一人でやるしかないのよ、アスカ」

シンジ
「やっぱり出ないや、父さん」

 PEN2に驚くお決まりのシーン

アスカの同居のシーンは、ちょっとドタバタの喜劇タッチで描かれています。
そして、お決まりのお風呂でPEN2に驚くシーン。
前回は、シンジが驚き裸で飛び出てくるという描き方ですが、今回はアスカです。
しかも、それを見たシンジにアスカがライダーキックをお見舞いし、ノックアウトするというおまけつき。

逆に言えば、一緒に生活を共にすることが人同士の距離を縮めるという、当たり前で順調すぎるくらいの定番シーンとして描かれています。

同じ屋根の下、同じ釜の飯も食わずに上手くいかない家族がいる中で、他人同士でも、こうやって喜劇的な感じで距離縮まるという描き方には、逆に違和感を漂わせているようにも感じます。

ある意味で、こんな生活が続くわけないでしょ…という悲劇フラグを立てているようにも思われてなりません。


 家族・食事・団らん、それぞれの対比

ミサト、シンジ に、アスカが加わり、ペットのPEN2も含め、にぎやかになったミサトの家と対比するかの様に、レイは一人、取り壊し始まっている区画のボロボロの公団に住み続け、夜は暗い部屋で一人、薬(サプリ) を飲むだけの夕食、なんの楽しみもないが、食事を楽しむということ、人と一緒に食事を楽しむという感覚を持たないレイを、今後の伏線として描いているシーンでもあります。

また、寝るシーンでは、今度は、ミサト、アスカ、シンジの三人を対比させています。

ミサトは、のんだくれおやじの様に酒瓶を手に持ったまま、ひどいっかっこうでいびきをかいて寝ています。まさに、寝相の悪さを映したシーン。

パペット人形を手に自分と会話をするアスカ
「これからも、一人でやるしかないのよアスカ」
(飛び級大卒のエリートだが、心の中に幼児性を残していることを描いていて、少しメンヘラな部分があることを描写)

シンジは、相変わらずウォークマンを聞いています。 
お約束の、25曲目から26曲目(1時間16分03秒)にオートリバースで切り替わるところが映されています。
今までなら、それで終わりですが、ここで思わず驚く様な行動をシンジがとります。
それが、父ゲンドウへの電話です。
ゲンドウが電話に出ることはなく、空しく呼び出し音だけが響きますが、電話をかけようと思うだけ、随分と関係性が変わってきたことが伺えるシーンとなっています。

しかし、このシーンではアスカが来た事で、大量の荷物が運び込まれ、それらが明らかにシンジの部屋に押し込められ、開封済みのたたまれた段ボールもシンジの部屋に置いておかれている状態です。
圧の強い二人の女性との同居が、父に対する心境の変化を作った一因なのかもしれません。
 
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【前回】新劇場版 破 ヱヴァンゲリヲン  加持のチャラさは、まさか、あのキャラ? (4.アスカ・加持との対面 )










  

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