新劇場版 破 ヱヴァンゲリヲン   三位一体            (9.第8使徒の落下 )


この内容は完全にネタバレになります。
映画をまだ見ていないという方は注意願います。


前回は、海洋研究所での社会科見学で語られる加持の想い、そしてセカンドインパクトでは何が起こったのかについてでした。

今回は、エヴァンゲリヲン 新劇場版:破の9回目、第8の使徒が落下してくるのをレイ・シンジ・アスカの3体で対応するシーンになります。

前回分をご覧になっていない方は、是非、ご覧ください。

【前回】新劇場版 破 ヱヴァンゲリヲン  加持の哀愁               (8.ゲンドウ達の帰還、社会科見学 )

 第8使徒落下

 ネルフ本部への命中確立99.9999%

マコト
「3分前にマウナケア観測所の補足。現在、軌道要素を入力中」

シゲル
「目標を第3監視衛星が光学で捕らえました。最大望遠で出します」

ミサト
「光を歪めるほどのA.T.フィールドとは恐れ入るわね。で、落下予測地点は?当然、ここよね~」

マヤ
「MAGIの再計算。ネルフ本部への命中確率99.9999%(シックスナイン)です」

マコト
「N2航空爆雷もまるで効いてません」

ミサト
「軌道修正は不可能か」

マヤ
「A.T.フィールドを一極集中して押し出してますから。これに、落下のエネルギーも加算されます」

ミサト
「まさに使徒そのものが爆弾というわけね」

マコト
「第8使徒直撃時の爆砕推定規模は、直径42万GY-1万5千レベル」

マコト
「第3新東京市は蒸発、ジオフロントどころかセントラルドグマも丸裸にされます」

ミサト
「碇司令は?」

シゲル
「使徒の影響で大気上層の電波が不安定です。現在、連絡不能」

ミサト
「ここで独自に判断するしかないわね…… 日本国政府および各省に通達。ネルフ権限における特別宣言D-17を発令。半径120キロ内の全市民は速やかに避難を開始」

シゲル
「問題ありません。既に政府関係者から我先に避難を始めてますよ」

スタッフ
「市内における民間人の非難は全て完了。部内警報Cによる非戦闘員およびD級勤務者の退避完了しました」

マヤ
「MAGIのバックアップは松代に頼みました」

リツコ
「で、どうするつもり?」

シゲル
「いくらエヴァといったって、空が飛べるわけではないですし」

スタッフ
「空間の歪みがひどく、あらゆるポイントからの狙撃も不可能です」

スタッフ
「こんなべらぼうな相手じゃ、手の打ちようがありませんよ」
 


リツコ
「本気なの?」

ミサト
「ええ、そうよ」

リツコ
「作戦と言えるの?このプランが。MAGIの検証でもしくじる確率は99%強。たとえ成功してもエヴァ3体を損失。技術部として到底受け入れられません」

ミサト
「可能性ゼロではないわ」

リツコ
「奇跡を待つより地道な努力よ!リリスと初号機の保護を最優先とすべきです」

ミサト
「待つ気はないわ、奇跡を起こすのよ、人の意思で」

リツコ
「葛城一佐!」

ミサト
「現責任者は私です、私が判断するわ。それに、使徒殲滅が私の仕事です」

リツコ
「仕事?私怨でしょ?あなたの使徒への復讐は!」



アスカ
「えぇーっ!手で受け止めるぅっ?」

ミサト
「そうよ。飛来する使徒を、エヴァのA.T.フィールド全開で直接受け止めるの。目標は位置情報を撹乱しているから、保障観測による正確な弾道計算は期待できないわ。状況に応じて多角的に対処するため、本作戦はエヴァ3機の同時展開とします」

アスカ
「ムダよっ!私一人で殲滅できるもん!」

ミサト
「ムリよ。エヴァ単機では広大な落下予測範囲全域をカバーできないわ」

レイ
「この配置の根拠は?」

ミサト
「女の勘よ」

アスカ
「何ったるアバウト」

シンジ
「あの、勝算は…?」

ミサト
「神のみぞ知るってところね」

アスカ
「ふん!だから他のエヴァは邪魔なの!人類を守るくらい、私一人で充分よ!」

ミサト
「このオペに必要なのはシングルコンバットの成績じゃないの」

アスカ
「私の才能を認めないわけね」

ミサト
「違うわ。あなたたち三人の力が必要なのよ。奇跡を起こす為に」

 宇宙から飛来する爆弾といえば…

この第8使徒は、ネルフ本部めがけて宇宙から飛来してくる爆弾となっています。
これも、宇宙戦艦ヤマトで、ヤマトが地球を出発する際、ガミラスの冥王星前線基地から発射された超大型ミサイルを思い起します。

ヤマトの波動エンジンの始動のため、地球上の少ないエネルギーをかき集めて実施、ミサイルが接近する中、慌てふためく地球司令部をよそに、エネルギー注入をぎりぎりまで行い、そこでエンジン始動、そしてギリギリ間一髪のところでミサイルを主砲で撃破します。

万に一つでも可能性を発見したら、それを信じて冷静沈着に行動をする、そんな艦長としての姿が描かれたシーンでした。

さて、ここではミサトが同じ様な状況で描かれています。
低確率な作戦は認められないリツコに対して、A.T.フィールドにはA.T.フィールドで対抗可能というミサト。
MAGIの予測よりも自分の勘を信じれる強心臓。
リツコに、仕事ではない、私怨だと言われても、感情的になって言い返したりせず、冷静さを保っています。

まさに、沖田館長と同じ様に、可能性を発見し、それを信じて冷静沈着に行動しています。

 転車台(ターンテーブル)

エヴァ3体の出動が、いつものケージからカタパルトで射出される方式ではなく、地下から持ち上げられて、転車台が回転して、放射状に配置されているレールに運ばれています。

電車好きの庵野監督としては、やはり転車台(ターンテーブル)はどうしても使いたいアイテムなのでしょう。

 手で受け止める

手で受け止めるという、なんとも無謀な作戦に驚くアスカ。
しかし、レイはともかくシンジも驚いてはいません。
ミサトがそういう突拍子もない作戦を立ててくるのはいつものことで、それで成果を出してきていることも知っているからでしょう。

それにしても、やはりここで思い起こされてしまうのが、宇宙戦艦ヤマトで、デスラー機雷というヤマトの周囲に無数に散らばった機雷の撤去の処理を、沖田館長より「君たちの手でやるのだ」と言われ、古代が思わず「手って、この手でありますか?」と尋ねるシーンです。

 三位一体

ミサトがこだわるのが、落下地点の正確な予測は出来ないため、ある程度の範囲を3人でカバーするということ。
野球の外野手の配置を、バッターによって守備位置を変えるような感じです。

エヴァでは、これまでも3人で一組といった構成が度々出てきました。ミサトの同居人、学生時代からの仲間、エヴァのパイロット、仲良し男子学生。
キリスト教では、父である神、神の子(イエス・キリスト)、聖霊 という、これらが一つで(三位一体)唯一神を成すというものです。

今回、この危機を乗り越え、奇跡を起こすには、エヴァ三体の協力が必要。それは、単に守備範囲をカバーということだけではない、本質的な部分で、エヴァが3体協力することが必要なのだということを、ミサトは感じていて、アスカとシンジを一緒に住まわせたりしていたのでしょう。 

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【前回】新劇場版 破 ヱヴァンゲリヲン  加持の哀愁               (8.ゲンドウ達の帰還、社会科見学 )

 




 

 

  

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