新劇場版 破 ヱヴァンゲリヲン   食事会へ向けて             (15.レイ・アスカの変化 )


この内容は完全にネタバレになります。
映画をまだ見ていないという方は注意願います。


前回は、学校の屋上にいたシンジのもとへ、マリがパラシュートで降りてくる象徴的なシーン、そして、加持がシンジを自分が育てている畑へ連れていき、様々なことをシンジへ伝えるシーンでした。

今回は、エヴァンゲリヲン 新劇場版:破の15回目、レイの食事会の計画が着々と進む中、そのレイの変貌ぶりに周囲が驚くと同時に、アスカにも、微妙な変化が生じているというシーンです。

前回分をご覧になっていない方は、是非、ご覧ください。

【前回】新劇場版 破 ヱヴァンゲリヲン  マリとの対面             (14.マリの登場~加持の畑 )

 レイの秘密の計画、アスカへの影響

指の怪我、そしてレイの変化にざわつく周囲

レイ
「おはよう」

シンジ 
「綾波…!?」

同級生
「挨拶…」
「あの、綾波が?」

シンジ
「綾波、もういいの?」

レイ
「ええ、今日は平気」

シンジ
「あ、どうしたの?その手…」

レイ
「さっき、赤木博士が巻いてくれたの」

シンジ
「何してたの?」

レイ
「秘密、もう少し上手くなったら話す」

 レイの変化、アスカのジェラシー

このシーンの前、夜暗い部屋で包丁を手にしているレイの姿が映し出される、何やら危険な香りを漂わせ何か起こるのではないか?という雰囲気を少しだけかもしだした後でのこのシーンです。

既に食事会を計画している雰囲気は漂させていたので、レイの「もう少し上手くなったら…」というセリフで、不慣れで指を切ったりしながらも、一生懸命食事を作る練習に励んでいる様子がうかがえる。

さらに、秘密にしていることで、ちょっとサプライズ的にしているのかと思いきや、上手くなったら話すということで、ちょっと一般的な感覚とはズレているとうことは、しっかり押さえている描き方をしています。

また、セリフはありませんが、このシンジとレイのやりとりを、横目で見ているアスカが、ちょっとジェラシーを感じていて、すっかり学園三角関係物になっています。


ミサト
「変わったわね。レイ」

リツコ
「そうね。あの子が人のために何かするなんて、考えられない行為ね。何が原因かしら」

ミサト
「愛…じゃないの?」

リツコ
「まさか。ありえないわ」

 ミサトが運転する車

リツコを助手席に乗せミサトが運転する車、これは…
一見、サーキットの狼の主人公が乗るロータスヨーロッパに見えます。(少なくともこのシーンだけだとそう見える)

しかし、後のトレーラーを誘導するシーンで、この車がロータスヨーロッパではなくて、コスモスポーツ(マツダ)だということが分かります。

これは「帰ってきたウルトラマン」に登場するMATの車だということが分かります。
その証拠に、ナンバープレートの番号が『1971』
「帰ってきたウルトラマン」の公開年(1971年)になっています。

ただし、赤線のマーキングはMATではなく、サーキットの狼の主人公が乗るロータスヨーロッパ風になっています。




アスカ
「う~ん… バカシンジだと、もう少し薄味のほうがいいのかな~」

ミサト
「たっだいま~」

アスカ
「あれ?ミサト、早かったわね」

ミサト
「へ~すぐ本部へトンボ帰り、風呂と着替えに帰っただけよ~」

ミサト
「んぉ! お~? んまぁ~これはこれは、アスカもシンちゃんに料理ご馳走するの~?」

アスカ
「ふ! 違うわ!! えっと女の子、そ、ヒカリよ!」

ミサト
「ふふふ。レイといいアスカといい、急に色気づいちゃって」
アスカ
「何よ!エコヒイキと一緒にしないで!」
ミサト
「ん~そうね~。レイにはもっと遠大な計画があるようだし〜」
アスカ
「何、それ?」
ミサト
「碇司令とシンちゃんをくっつける、キューピットになりたいみたい… よ。 手作り料理でみんなと食事会、という作戦らしいわ。ストレートな分、これは効くわよ…… 本当、あの親子を仲良くさせるのは、骨が折れるわね」
アスカ
「あの女が、バカシンジのために?」

ミサト
「サプライズなんだから、シンちゃんにバラしちゃダメよ」

アスカ
「話すわけないでしょ! この私が」

 レイがシンジのため料理をしていると気づいたアスカ

なぜ、アスカが急に料理を始めたのか?
その前のシーンで、レイの手の傷を気にするシンジに対し、不慣れな手料理をしているため…とうことに感づいたからなのでしょう。

レイが料理をしてシンジにご馳走しようとしているということは、ミサトの会話からすぐに想像が出来ますが、それに驚く様子が描かれていません。
それはすでに知っているという前提で描かれているシーンです。

負けん気の強いアスカなので、レイよりも美味しいものをシンジに作ろうと奮闘している姿として見ることが出来ます。

 作戦には敏感なミサト(職業病?)

レイの遠大な計画… ということに、職業柄なのか作戦というものに反応してしまうミサト。
それが、効果的なのか?どうか、分析してしまうクセがあるということが、よく分かるシーンになっています。

遠大な計画 
遠大(えんだい)という言葉、なんだか、とってつけたような印象があります。

そして、これはやはり庵野監督が好きな宇宙戦艦ヤマトからの引用ではないかと思われます。

ヤマトに初めて搭乗した古代と島を、沖田館長自らが館内を案内しているシーン。

「我々の任務はガミラスと戦うばかりではない、もっと遠大な計画があるのだ」

このセリフで、沖田館長は、この「遠大な」という部分にかなり力をこめて話すので、とても印象に残るセリフとなっています。

ちなみに、沖田館長の言う遠大な計画とは、イスカンダルへ行き地球を放射能汚染から元の状態に戻るための装置(コスモクリーナーD)をとってくるという計画

 北米ネルフ エヴァ4号機爆発、3号機譲渡

 事故か、謀略か

ミサト
「消滅!?エヴァ4号機と第2支部が消滅したの?」

シゲル
「T+10(ティープラステン)、グラウンド・ゼロのデータです」

ミサト
「ひどいわね」

マコト
「A.T.フィールドの崩壊が衛星から確認できますが、詳細は不明です」

ミサト
「やはり4号機が爆心か… うちのエヴァ、大丈夫でしょうね?」

マヤ
「4号機は…」

リツコ
「エヴァ4号機は、稼動時間問題を解決する新型内蔵式のテストベットだった… らしいわ」

マヤ
「北米ネルフの開発情報は、赤木先輩にも十分に開示されていないんです」

ミサト
「知っているのは……」


冬月
「エヴァ4号機。次世代型開発データ収得が目的の実験機だ。何が起こってもおかしくはない… しかし」


加持
「本当に事故なのか?」

 ゲンドウの謀略?加持は絡んでいない…

エヴァ4号機の爆発、そして、北米ネルフ所有の3号機が、日本のネルフへと輸送されるシーンが描かれています。

これは、このシン・エヴァンゲリヲン  破の冒頭でのユーロネルフでのシーンが思い起こされます。
そして、それがゲンドウの謀略であり加持が絡んでいましたが、今回は、少なくとも加持は絡んでいません。

ゲンドウは、何も語らず、謎のままです…

しかし、ゲンドウの性格は、何かが起きた時に、それがどういうことなのかを瞬時に分析し、自分なりの判断を口にするタイプの人間です。

冬月の話に対して沈黙を守るということは、これは間違いなくゲンドウが、何か絡んでいるということでしょう。

カヲルと月で対面した時にも、喋る冬月に対し、沈黙を保つという同じ状況がありました。
ゲンドウの沈黙、それは喋れない理由があるから…ということです。

 十字架で運ばれるエヴァ3号機

キリスト教からの引用なのか?それとも、ウルトラマンA(エース)なのでしょうか?

ウルトラマンAには、「銀河に散った5つの星」という話の中で、ゴルゴダ星のエースキラーという異次元超人に倒され、ウルトラマンAの兄弟、ゾフィー、ウルトラマン、ウルトラマンジャック、ウルトラセブンがゴルゴダ星で十字架にかかるというシーンがあります。

もちろん、このウルトラマンAのこのシーン自体が、キリスト教からの引用です。
ゴルゴダ星のゴルゴダは、イエス・キリストが十字架にかかった処刑場の丘の名前です。 

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【前回】新劇場版 破 ヱヴァンゲリヲン  マリとの対面             (14.マリの登場~加持の畑 )

【次回】新劇場版 破 ヱヴァンゲリヲン   アスカとレイの対立             (16.ハズレのトウジ~エレベーター )






 

 

 





  

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