最近は、「 鬱 病 」の人が本当に増えています。
現代は、仕事や人間関係など、ストレスの多い社会、そして見えない将来、本当に多くの方が、 鬱 病で苦しんでいます。
この病気は、周囲の人には、全く理解されないところが大きな問題だと思います。
中でも、 躁鬱 については、まるで理解がされていないようです。
そもそも、 鬱 と 躁鬱 って何が違うのか?
実は、この2つは、大きな違いがあります。
今回は、この2つの違いを通して、 鬱 と 躁鬱 について見ていきましょう。
鬱 ( うつ ) と 躁鬱 ( そううつ ) の違い
躁鬱 病は、正式には「双極性障害」という病名です。
鬱 と 躁鬱 も、共に「気分障害」という同じカテゴリに含まれています。
しかし、この2つには、大きな違いがあります。
鬱 が正しい治療をすれば完治します。
しかし・・・躁鬱 に関しては、現在の医学では完治は困難です。
このことによって、例えば、医療保険といった保険に、 鬱 病の人は加入できるけど、 躁鬱 病の人は出来ないといったケースが出てきます。
躁鬱 の場合には、遺伝の問題か、脳に何だかの要因があると考えられています。
性格的には、循環気質 といって、大変行動が活発で仕事や家事などもばりばりこなす反面、時として落ち込みやすいという性格の人が多いと言われています。
これに対して、 鬱 は、執着気質といって、几帳面で凝り性といった人や、メランコリー型性格というルールや秩序を大事にして、自分に厳しい人がなりやすいと言われています。
それでは、それぞれの症状や、治療法ついて、詳しく見ていきましょう。
鬱 ( うつ ) 病とは?
鬱 病 の症状と治療については、以下の通りとなります。
症状
鬱 病になると、次のさまな症状が現れます。
- 思考能力の低下
人の話を聞いていられない、テレビや本などが頭に入らない、暗算が出来ないなど、考える力が落ちます - 活動意欲の低下
朝起きるのが遅くなった、動きが緩慢、出かけたがらない、表情が無くなる - 身体に異常が起こる
よくあるのが鼻水が出るなどの風邪に似た症状、その他、不眠、頭痛や腹痛など
こういった症状が、ずっと続くのではなく、普通の状態に戻る時期(間欠期)もある。
発症している時期(病相期)と間欠期が、交互に現れる。
治療
治療の基本は
休養 と 薬物(抗うつ剤)療法
症状によって、電気けいれん療法や断眠療法などがとられることもあるようです。
それでは、続いて、 躁鬱 について見ていきましょう。
躁鬱 ( そううつ ) 病とは?
躁鬱 病の症状と治療については、以下の通りとなります。
症状
躁鬱 病は、その名の通り、躁(そう)状態と鬱(うつ)状態が交互にきます。
躁(そう)状態は、鬱(うつ)の真逆で次の様な症状となります。
- 気分・感情のムラ
機嫌がよかったと思ったら、突然怒り出す。 - 活動意欲の異常
じっとしていられない、多弁、お金のムダ使い、精神的な興奮状態 - 身体の異常
不眠(早朝覚醒)異常な食欲
この躁(そう)状態と、鬱(うつ)状態、そして正常な状態を交互に繰り返します。
躁 状態、 鬱 状態、正常な状態 を交互に繰り返す感じですが、長さや周期などは、症状によってまちまちです。
双極性障害という名前は、この躁(そう)と鬱(うつ)の二つの真逆の状態が、起こることから付いています。
治療
治療の基本は
休養 と
薬物(気分安定薬・抗精神病薬)療法
抗うつ剤は、逆効果になることもあるため、基本的には気分安定剤を中心とした治療が行われます。
また、「精神障害」のカテゴリに属する、統合失調症を併発することがあるため、注意が必要です。
(統合失調症の典型的な症例でもある、幻覚や幻聴といった妄想がある場合には注意)
躁 状態の時期が、極端に少ない症例も多く、 鬱 病との違いが一見分からない場合があります。疑わしい場合には、医者に伝える事が大事です。
まとめ
鬱(うつ)と 躁鬱(そううつ)の違い
- 鬱 は、後天的にかかるもので治療が可能
- 躁鬱 先天的な脳の障害と考えられていて、完治が難しい
鬱(うつ)病
- 几帳面で凝り性(執着気質)、ルールや秩序を重んじ自分に厳しい人(メランコリー型性格)がかかりやすい
- 鬱 状態と正常な状態を繰り返す
- 休養と薬物療法(抗うつ剤)による治療が主流
躁鬱(そううつ)病
- 活動的だが、落ち込みもはげしい(循環気質)人がなりやすい
- 躁 、 鬱 、正常な状態を繰り返す
- 休養と薬物療法(気分安定薬・抗精神病薬)による治療が主流
- 統合失調症など精神障害を併発している可能性もあり、注意が必要
あとがき
風邪で会社を休んだり、途中で具合が悪くなって早退しても、何も言われないのに、これが「うつ病」だと周囲の反応が違いますよね。
本人もそれが分かっているから、本当につらいと思います。 風邪と同じように、一度でも体験すれば分かるんでしょうけどね。
決して他人事ではない病気です。
躁鬱が疑われる場合には、本当に、気をつけなければいけません。
まず、第一に医者が誤診をする可能性も高いからです。
もしも、躁鬱が疑われるのであれば、家族が一緒に病院に行って、普段の状態などをきちんとお医者さんに説明をした方がいいでしょうね。
躁鬱だったのに、抗うつ剤を飲んでいたら病状は悪化するだけですし、非常に危険です。 おかしいと思ったら、セカンドオピニオンを求めてもいいでしょう。
この病気には、本人はもちろん、周りも正しい知識を持って、接していくことが大事です。
コメント