学生時代に、生物をやっていて覚えるのに悩まされるのが「アミノ酸」ですよね。
あの20種類を覚えるのに、みんな色んなアイデアや方法を使っていますよね。
今回、秀逸な覚え方を見つけましたので、ご紹介します。
この方法では、構造式の特徴から入るので、単に20種類を詰め込むのではなく、それぞれのアミノ酸の構造式から、特徴までもが、なんとなく頭に入ってしまうという優れものです。
このやり方なら、構造式まで覚えようとしても、週末だけで完璧になります。
20種類のアミノ酸を…
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- 親水性か疎水性か
- 側鎖にCOOHシリーズ
- その他(S硫黄を持つアミノ酸、NHに関連)
この、3つに分けて、ポイントを押さえていく方法です。
後半には、その方の動画講義もつけています。
是非、ご覧になって下さい。
それでは、早速見ていきましょう。
アミノ酸の覚え方
まずは、アミノ酸の一覧表です。 一文字表記・三文字表記・名前・構造式を並べています。 覚えるための3つの分類に従って、色分けがしてあります。
アミノ酸表記法
アミノ酸 | ||||
1文字 | 3文字 | 名称 | 構造式 | |
1 | S | Ser | セリン | |
2 | T | Thr | スレオニン(トレオニン) | |
3 | Y | Tyr | チロシン | |
4 | G | Gly | グリシン | |
5 | A | Ala | アラニン | |
6 | V | Val | バリン | |
7 | L | Leu | ロイシン | |
8 | I | Ile | イソロイシン | |
9 | F | Phe | フェニルアラニン | |
10 | D | Asp | アスパラギン酸 | |
11 | N | Asn | アスパラギン | |
12 | E | Glu | グルタミン酸 | |
13 | Q | Gln | グルタミン | |
14 | M | Met | メチオニン | |
15 | C | Cys | システイン | |
16 | H | His | ヒスチジン | |
17 | K | Lys | リジン | |
18 | P | Pro | プロリン | |
19 | W | Trp | トリプトファン | |
20 | R | Arg | アルギニン |
アミノ酸の基本構造
アミノ酸の基本構造を、見てみましょう。
この様に、炭素C に、アミノ基(NH2)と、カルボキシ基(COOH)が、さらに、水素(H)が結合した分子です。 そこに、R(側鎖)の原子団がくっついて、アミノ酸を形成します。
アミノ酸ごとに、この R(側鎖)は違っています。
つまり、このR(側鎖)が20種類あることになります。
パート① 親水性か 疎水性か
泳げぬガブリフ(GAVLIF)
親水性の S(セリン)T(トレオニン)Y(チロシン)は、側鎖に OH基を持っているものですね。
OHがあるので、水に溶けやすい性質があります。
これに対して、GAVLIFは、側鎖にCH2 やCH3 などを持っているものです。
水には溶けにくい性質ですね。
STYも、GAVLIFも、下側に行くほど構造式が複雑になっていますね。
こういったことも、記憶には役立ちます(笑)
パート② 側鎖に‐ COOH(カルボキシ基)シリーズ
- 明日(アス)・・・アスパラギン酸・アスパラギン
- 狂(クル)った・・・グルタミン酸・グルタミン
- EQ・・・自分の感情をコントロールする知能
側鎖に‐COOHがあるのが、アスパラギン酸とグルタミン酸、-COOH の OH が、NH2化したものが、それぞれアスパラギンとグルタミンです。
パート③ その他
これ、私の場合には、「スタジオ(S)にMC(MC)」で覚えました。
サッカーと同じ英語の頭文字のSというのもありますが、スタジオ ⇒ スタジぃおう(=硫黄)です(笑)
構造式に、硫黄Sが含まれている、アミノ酸ですね。
サッカー好きな人は、メッシの方が、覚えやすいかもしれませんね。
いずれにしても、これだけ単純で強烈な語呂だと、忘れたくても、忘れないでしょうね(笑)
これも、すごいインパクトのあるフレーズですね、しかも、NHK PWR(NHKパワー)で残りを一網打尽ですからね(笑)
側鎖が、NHに関係するものの集まりです。
プロリンは、側鎖にNHは含まれませが、側鎖自体が、NH2(アミノ基)と結合しているので、ここのグループに入れてあります。
必須アミノ酸
必須アミノ酸は、一覧表で、文字の色がマジェンタの、以下のものです。
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- フェニルアラニン
- ロイシン
- イソロイシン
- トリプトファン
- メチオニン
- スレオニン
- ヒスチジン
- バリン
- リジン
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覚え方は、頭文字をとって「フロイト・メスヒバリ」
他にも、「フロバイスヒトリジメ」(風呂場イス、独り占め)なんていうのもあります(笑)
この場合、リジ=リジンです。
分子生物学講義-動画
これらの、暗記方法が紹介されている、分子生物学の講義です。
少し長い、動画ですが、これを見るだけで、アミノ酸についてはかなり覚えられてしまいます。
これは、実際の大学でのゼミのようで、高校で、有機化学を習っていない人も生徒さんも中にいるようなので、かなり基礎からおさらいしています、おススメです!
まとめ
アミノ酸 基本の構造式
20種類のアミノ酸の覚え方
- 親水性か疎水性か
泳げるセティ(STY)、泳げぬガブリフ(GAVLIF) - COOHシリース
明日は土日(DN)、狂ったEQ(EQ) - その他< br /> サッカーSは、メッシ(MC)
NHKパワー (NHを含む、HKPWR)
必須アミノ酸
- 頭文字をとって「フロイトメスヒバリ」
あとがき
今回、黒田裕樹さんの動画を紹介させて頂きましたが、専門は発生生物学だそうです。
慶應義塾大学環境情報学部 (SFC)准教授、静岡大学創造科学技術大学院客員准教授なんですね。
今回、ご紹介した動画は、分子生物学の講義の一部です。
これ以外にも、まだあります。
もしも、分子生物学に興味がある方は、是非ご覧になって下さい。
思わず見入ってしまう秀逸な講義ばかりです。
黒田先生の講義は、分かりやすくて、そして記憶に残りやすいです。
難しい事を分かりやすく説明してくれ、それを堂々とネットで公開。
こういう先生が増えるといいですよね。
応援しています。
コメント
すごく分かりやすかったです、ありがとうございます。
生化学で動画をつくる課題がありまして、こちらを基本に書かせて頂こうとおもいます
あみさん、コメントありがとうございます。
お役に立ててなによりです。
課題がんばってくださいね!
覚え方がとても参考になり、助かりました。どうもありがとうございます!
しかし、グリシンとアラニンは疎水性ではなく親水性ではないでしょうか?
コメントありがとうございます。
いえ、お礼は私ではなく黒田裕樹先生に(笑)
アラニンは、疎水性ですが、グリシンですよね!
CHと言っておきながら、グリシンだけちょっと違うんですよね。
グリシンは、親水性でも疎水性でもどちらでも無い…というのが正解だと私は理解しています。
ただ、親水性と疎水性のちょうど境界上にあるということでも、ガブリフのガが先頭にあるというのも、逆に覚えるのには丁度良いと思っています。
どうですか?もう、これでグリシンについても二度と忘れないですよね?
返信ありがとうごさいます。
なるほど、そういう理由だったんですね!
グリシン覚えました!笑
本当にありがとうごさいます。
フェニルアラニンのベンゼン環についてるchについてですがhが一つ足りない気がするんですけど
ご指摘ありがとうございます!
間違っておりましたので、修正いたしました。
[…] 図はこちらからお借りしました→http://kenyu.red/archives/2945.html […]
チロシンは疎水性です