今日は、プルーン について書きたいと思います。
「プルーン」は、身体に良い食材として、とりあげらることが多いですよね。
その中でも 「鉄分(Fe) 」が豊富ということで、特に女性にすすめられています。
ところが、タイトルにあるとおり、結論から言いますが
プルーンは、鉄分が豊富な食材ではありません。
どれくらい鉄分(Fe)があるのか、含有量をデータで確認しましょう。
プルーンの鉄分含有量
使用するデータは、文科省が出している「食品成分表」です
よく本屋にある、健康成分表などは、このデータを使用しているものが多いです。
プルーンは 「 生 」 と 「乾燥 」 の2種類があります。
「生」は生の果実で、「乾燥」はドライプルーンのことですね。
鉄分の含有量は、次の様になっています
【100gあたりの鉄分(Fe)含有量(mg)】
- プルーン(生) : 0 . 2
- プルーン(乾) : 1 . 0
さて、これが多いの少ないのか、栄養士さんでもない限り、ピンときませんよね(笑)
鉄分の多い食材の代名詞とも言える、「レバー」と比較をしてみましょう。
レバーの鉄分含有量
【100gあたりの 鉄分 の 含有量(mg)】
- 豚レバー : 13 . 0
- 鶏レバー : 9 . 0
100gあたりの鉄分(Fe)含有量では、プルーンと比較して桁違いに多いことがわかりました。
でも、これだけだとレバーより少ないというだけで、プルーンが鉄分を摂る上で、効果的な食材ではないとは言い切れませんね。
ここで、まず、1日あたりどれくらいの量の鉄分を摂るのがよいのかを見てみましょう。
1日あたり推奨される鉄分の摂取量
ここで参照するのが、厚労省が出している「日本人の食事摂取基準」です。
実は、男性・女性といった性別の違い・年齢などによって必要となる鉄分の量が違います。
以下のサイトより、表と計算式で、自分の推奨量について計算が出来ます(以下から入り、鉄分のPDFを開いて下さい)
⇒ 厚労省「日本人の食事摂取基準(2010)」
人によって差がありますので、ここでは、説明を簡略化するため、成人女性は仮で 12 mg とします。
男性のほうは、女性より少ないので10mg と考えて下さい、以降は女性の12mgのみで話を進めます。
(12mgだと人により最大3mg程度違う場合があります。正しくは上記PDFよりお願いします)
さて、先ほどの100gあたりの鉄分含有量を、あらためて見てみましょう。
【100gあたりの鉄分(Fe)含有量(mg)】
- プルーン(生) : 0 . 2
- プルーン(乾) : 1 . 0
- 豚レバー : 13 . 0
- 鶏レバー : 9 . 0
レバーは、100g摂るとほとんど一日の推奨量を摂れてしまいますね
これに対し、プルーンは、1kg以上摂る必要があります。
実際の食事で摂れる量
最後に、食事などで、どれくらいの量を摂れるのか? について考えてみましょう。
■ レバーの場合
レバーは、レバニラ炒めなどに入っているレバーが一切れ9 -15g程度です。
レバニラ炒めだけで、大体、80-100gのレバーを摂ることになりますから、かなりの量の鉄分が摂取できますね。
■ プルーン(生)の場合
生の果実は、1個およそ70gですが、種など食べられない部分を除いた可食部は、66g程度となります。
生のプルーン1個(66g)あたりの、鉄分(Fe)の含有量は、0.12mg となります。
女性の一日の推奨量(12mg)を摂るには・・・
12(必要推奨量) ÷ 0.12(1個当たりの鉄分量) = 100個
毎日1個のプルーン(果実)を食べても、一日の鉄分推奨量の1%しか摂れません。
■ プルーン(乾)の場合
ドライプルーンは、1個およそ12gです。
ドライプルーンの1個(12g)あたりの鉄分(Fe)の含有量は、生果実と同じ 0.12mg となります。
つまり、こちらも同じ結果です。一日の推奨量を摂取するのに100個食べる必要があります。
鉄分を摂ろうと、ドライプルーンを毎日3粒ずつ食べたとしても、一日の推奨量の3%にしかなりません。
これでは、残念ながら、プルーンでの鉄分摂取は効果的とはいえません。
最後に
プルーンは鉄分はありませんが、ドライプルーンなどは、食物繊維、ビタミンB6 そしてカリウムなどが豊富です。生の果実も、栄養価の高い食材とはいえませんが、ビタミンEや葉酸を摂る事ができます。
また、プルーンを使った商品によくある
「一日の推奨量(又は必要量)の〇〇分の〇の鉄分が摂れます」
と記載されているものが、ウソだと言っているわけでもありません(笑)
メーカーさんは、成分表をきちんと商品に掲示する事を義務付けられています。
掲示されている鉄分量が見当違いの数値であれば大問題 です。
どの様に鉄分を補っているのかは分かりませんが、問題のあるメーカーで無ければ、鉄分は記載の通りの量が摂取できます。
気をつけたいのは、こういったプルーンを使った加工品で鉄分が摂れるならと、自分でプルーンを買ってきても、鉄分の摂取は期待ができないということです。
食品は身体を支える資本ですから、きちんとした栄養に関する知識を持って生活したいですよね。
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