7月7日、七夕の節句 です。
節句というのは、季節の変わり目(節目)でもあり、農耕における特別な意味があるそうです。
日本は、稲作中心ですから、節句の祝いは、まさに庶民の生活に密着していたものだったのでしょう。
現代の我々とは、全く違う意識でお祝いをしていたのでしょうね。
節句にまつわるものは、色々とありますが、今回は、7月7日 の七夕の節句を、「 花 」をテーマにお伝えしたいと思います。
7月7日(七夕)の誕生花
まず、7月7日(七夕)の誕生花について調べてみました。
これが意外と多いんですよね(笑)
- スイレン
花言葉 : 清純な心、信仰 - クチナシ
花言葉 : 優雅、とても幸せ - フサスグリ
花言葉 : 新しい経験、予想 - アベリア
花言葉 : 謙虚、謙譲 - ホオズキ
花言葉 : いつわり、心の平安
この中で、今回取り上げたいのが「ホオズキ」です。
実は、妻の親戚の農家では、毎年、7月7日の七夕の日の前になると、七夕飾りが出され美しく飾られます。
代々受け継がれてきた伝統だそうです。
そして、その中に「ほおずき」があるんです。
当初、季節の植物ということで、日持ちもするし飾りとして丁度よいのかと思っていました。
しかし、実はこれにはちゃんと意味があったんです。
そう、7月7日が「ほうずき」の日だったんですね。
親戚と七夕飾りの話をした時に、始めて7月7日の七夕の節句の日が、「ほおずきの日」である事を知りました。
七夕の日の花ということで、やはりそれなりの意味があったんですね。
ちなみに、有名な、浅草寺の「ほおずき市」は、毎年7月9日、10日です。
ほおずきの日に開催というわけではないんですね。
【浅草寺の「ほおずき市」を紹介している動画がありましたので、ご紹介します】
httpss://youtu.be/qd_39iuERa0
「七夕の節句」 と 「ほおずき」
その親戚によると、7月7日が「 ほおずき 」の日になった理由かどうかは分からないけれども、明治時代に入るまで、7月7日の七夕の節句には「 ほおずきの根 」を煎じて飲む風習があったようです。
その後、明治以降になりその風習は廃れ(すたれ)、名残として七夕飾りになったようだ、と話してくれました。
おもしろいですね!
「ほおずきの根」を煎じて飲むなんて、初めて聞きました。
江戸時代では、当然 旧暦ですので、七夕の節句は、今の暦では7月7日ではなく、8月になります。
この時期は、稲作にとって丁度、草取りを終え、水田の水を止める段階です。
つまり、穫期に移行する時期 ですね。
なぜ、この時期に、ほおずきの根を煎じて飲んだのか?
気になったので、早速調べてみました。
「ほおずきの根」の薬効成分
ほおずきの根は漢方薬でした。
ほおずきの、地下茎 と根を、天日干しにした生薬を、酸漿根(さんしょうこん) と呼びます。
解熱、咳止め、 利尿作用などの効能があるようです。
ただし、妊婦さんは服用できないという注意書きがあります。
江戸時代などでは、「解毒の薬」として売られていていたのでしょう。
季節の変わり目、刈入れの時期を前に、しっかりと体調を整えておうという意味があったのでしょうね。
端午の節句(5月5日)に菖蒲湯(しょうぶゆ)に入るのと同じで、やはり節句という体調を崩しやすい時期を、しっかりと整える草花が選ばれるんですね。
季節を感じて
7月7日 の 「ほおずき」
単なる季節の観賞用の花(実)ではなく、実用として用いられていたんですね。
浅草寺をはじめ、各地で行われている「ほおずき市」も、そのルーツはこういった
農耕社会の慣わしや風習によるものなのかもしれません。
七夕そのものが、おりひめ=織姫(養蚕の象徴)、ひこぼし=牽牛(農耕の象徴)
で、農耕に関する特別な意味があるのでは、と言われています。
昔の人は自然や季節を感じ、上手く利用しながら生活していますよね。
現代人が、失ってしまった感覚です。
あとがき
「 〇月〇日は、~~の日」といったものの中に、昔の人の知恵や想像力が詰まっている事が多そうですね。
今まで、あまり気にしていませんでしたが、身の回りにある「~~の日」の日のルーツ
調べてみると、おもしろそうです。
意外と昔の風習や、しきたりって形を変えても、どこかに残っていたりするものですよね。
当たり前すぎで、全く気にしていないことに目を向けてみると、色んな発見がありそうです。
ほおずき、日本では観賞用が主ですが、海外ではちがった品種で食用もあります。
フランス料理やイタリア料理では、夏のデザートの皿に添えてあったりします。
ほうずきは、意外にも鑑賞のみだけでなく、薬や食用にもなるんですよね(注意:観賞用のほうずきは食べれません)
まさに7月7日の七夕という日を代表する、素敵な植物ですね。
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