数字の「12 」 というと、どんな印象がありますか?
「 印象? 12 の意味なんて、特に思い浮かばないけど・・・!? 」 という人も多いかもしれませんね。
12の次の 13 という数字は、日本人が4を忌み嫌うように、アメリカやヨーロッパ諸国などのキリスト教の国々では縁起が悪いとされています。
キリスト昇天の日が、13日だったことに由来しますね。
さて、13同様に、12という数字には、何か由来があるのでしょうか?
今回は、12という数字に着目したいと思います。
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暦と時間に関係のある数字の 「 12 」
カレンダー(暦)
1年 = 12ヶ月
元は、エジプトの暦(シリウス暦)において、月の満ち欠け(月齢)を見ると、大体1ヶ月間(30日)の周期で、これを12回繰り返すと、もとの季節に戻るということを発見した事に由来する。
時計(時)
12時間(AM/PM)
古代エジプトの時計は、日時計であったため、一日を昼と夜の12時間に分けたのが起源とされる。
西洋文明にみられる 12
オリンポス12神(ギリシャ神話)
- ゼウス
- ポセイドン
- ヘラ
- デルメル
- アレス
- ヘパイトス
- アテナ
- アポロン
- アルテミス
- ヘルメス
- アフロディテ
- ヘスティア
詳しくは こちらを参照 ⇒ギリシャ神話 オリンポス12神!12神より多いんですけど・・・
ゼウスの父にあたる、タイタン神族にも、タイタン12神が存在する
ヘラクレスの12の功業(ギリシャ神話)
- ネメアのライオン
- ヒュドラ
- ケリュネイアの牝鹿(めじか)
- エリュマントスの猪
- アウゲイアス王の家畜小屋
- ステュンパロスの怪鳥
- クレタ島の暴れ牛
- ディオメデス王の人食い馬(4頭)
- ヒッポリュテ女王の金の帯
- ゲリュオンの飼い牛
- ヘスペリエスの黄金のリンゴ
- 地獄の番犬ケルベロス
詳しくは こちらを参照 ⇒ ヘラクレス ギリシャ神話最強の英雄!12の功業とは何なのか?
キリスト12使徒 (キリスト教)
- シモン・ペテロ
- ヤコブ(ゼベタイの子)
- ヨハネ
- アンデレ
- フィリポ
- バルトロマイ
- マタイ
- トマス
- ヤコブ(アルファイの子)
- ユダ(ヤコブの子)
- シモン(熱心党)
- ユダ(イスカリオテ)
裁判の陪審員(12名)
陪審制度の起源といわれる、フランク王国(9世紀)で12名の陪審員が立てられた。 陪審員の数は、現在でも多くの国や州で12名となっている。
なぜ、12名かというのは、キリストの12使徒からきているというのが有力説である。
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東洋に見られる12
十二縁起 (十二支縁起)
仏教が説く苦しみの元となるもの
- 無明(むみょう): 無智(苦しみ、煩悩そのもの)
- 行(ぎょう): 業(カルマ)身業・口業・意業
- 識(しき): 識別作用
- 名色(みょうしき): 認識の対象となるもの(精神的・物質的存在)
- 六処(ろくしょ): 6つの感覚(眼耳鼻舌身意)
- 触(そく): 接触(6つの感覚に対して外からの)
- 受(じゅ): 感受(六処 及び 触による)
- 愛(あい): 渇愛
- 取(しゅ): 執着
- 有(う) : 存在
- 生(しょう): 生まれること
- 老死(ろうし): 老いと死
神世七代(七組十二柱)(古事記)
造化三神(ぞうかさんしん)、別天津神(ことあまつがみ)の次に現れたのが、神世七代(かみよななよ) この神世七代の最初の二神(二柱)はひとり神、残りの十柱は左が男神、右が女神
- 国之常立神(くにのとこたちのかみ)
- 豊雲野神(とよぐもぬのかみ)
- 宇比邇神(うひぢにのかみ) – 須比智邇神(すひぢにのかみ)
- 角杙神(つぬぐいのかみ)- 活杙神(いくぐいのかみ)
- 意富斗能地神(おおとのじのかみ)- 大斗乃弁神(おおとのべのかみ)
- 淤母陀琉神(おもだるのかみ)- 阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ)
- 伊邪那岐神(いざなぎのかみ)- 伊邪那美神(いざなみのかみ)
十二章(中国皇帝の礼服)
- 日
- 月
- 星辰(星座)
- 山
- 龍
- 華虫(かちゅう) : 雉子(キジ)の事
- 宗彝(そうい): 酒器の事
- 藻(も)
- 火
- 粉米
- 黼(ほ): 斧の事
- 黻(ふつ):「亞」の字の事
十二支(じゅうにし)
- 十二神将
- 如来・菩薩・明王・天部 のうちの、天部に属する神々
- 薬師如来を守護するために、十二の方角を守る
- 各神々には、同じ方角の十二支の守護神ともされる
- 十二天将
- 安部清明といった陰陽師の式神である
- 中国古代の思想、五行説(陰陽五行説)に対応している
- 各式神にはは、十二ほ方角を守り、十二支と対応さいている
- 十二次
- 古代中国の天球(地球を中心とした惑星の相関図)に赤道を当てはめ12分割したもの
- 十二次を利用した「歳星紀年法」がやがて黄道十二宮の「干支紀年法」となる(十二支に対応)
- 黄道十二宮
- 天球上に赤道をあてはめた黄道を12分割したもの
- 12分割したものに対応した十二支がある
12の意味と謎
ここで挙げたものを見てみると、明らかに神、仏に関するものばかりです。
12というものを探していくと、そこには神や仏に関連するものが出てきます。
そして、その発祥は、おそらく古代天文学により、1年を12に分けるという暦に始まったのだと思います。
当時の天文学は現代と違い、占星術的な神の領域と考えられていたので、12という数字には、何か神秘的な神や仏の力を感じていたのでは? と考えることができます。
実は、その12を基準とする考え方は、時計やカレンダー以外にも残っているものがあります。
例えば、1ダース = 12個 といった、12を基準とした単位。
それと、英語の数字に12を区切りとしていた痕跡がはっきりと残っています
(英語はもともとラテン語から派生した言語です)
Ten(10) Eleven(11) Tweleve(12) Thirteen(13) Fourteen(14) Fifteen(15) Sixteen(16)・・・
13以降は全て「・・teen 」ですよね、12以前と以降で明らかに分けています。
ただ、実は上記に挙げた中で、どういう意味で12なのかは、定かでないものがあります。
「キリストの12使徒」です。
キリストが何か真理を意味する数値として意図して12使徒 としたのかは、どうもよく分かっていないようです。
そもそもが、マルコやルカといった福音書の中でも、この12使徒は一致しておらず、本当に12人だったのかも 怪しいのかもしれません。
まとめ
12という数字は・・・次の様に結論付けたいと思います。
- 古代天文学で、1年を12分割 したところに起源を持つ数値と思われる
- その神秘性から、神や仏に関する様々なものに使われていったと考えられる
あとがき
12に関するもの、まだまだ色々ありますよね。
12という数字を最初に考えた時、時計が思い浮かびました。
円を1周で12時間、それを2回周って1日。
でも、円(360度)を分割する時、等分しようとしたら、最初に円を2等分、分割したものを更に2等分といったようにしていくのが普通ですよね?
つまり、2 ⇒ 4 ⇒ 8 ⇒ 16 ⇒ 32… といったように分割。
ただ、これだど12等分にはなりません・・・
何故12等分なんだろう? 最初、それがとても、不思議でした。
古代の人が、星や太陽など天文でしか時を図ることが出来なかった、そして、そこから生まれたきたのが、この12という数字。
それは、本当に大きな意味を持っていたし、特別な力を持つ神秘的な数値だったんでしょうね。
数字も、そのルーツを追いかけると、面白い発見がありますね。
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