桜が咲きましたね。東京の気温も初夏を思わすようなところまで上がるようで、今日明日で満開になる勢いです。
花見の歴史
桜が日本に入ってきて花見を楽しむようになったのは、平安時代と言われています。
文献でも、万葉集では圧倒的に梅の歌が多いのに対し、古今和歌集では桜の方が多くなっています。
秀吉の醍醐の花見などが有名ですが、今の様に一般庶民が本当に花見を楽しむようになったのは、江戸時代、第八代将軍 徳川吉宗の時代と言われています。
火事の多かった江戸で、何か庶民の娯楽をと考えられたのが花見だったとか。
夜桜
東京 六義園の夜桜がニュースに出ていました。
六義園のシダレザクラは有名ですが、昼に見る印象と夜のそれとは全く違うようです。
そういえば、いつの頃からか、『 夜桜 』がすごく人気が出るようになりましたね。
上野恩賜公園に代表されるような、いわゆる宴会を含んだ花見を楽しむスポットがありますが、ハイキングがてらとか、純粋にお花を楽しみたい方からすると、宴会の無い場所でじっくりと桜を楽しみたいという気持ちがあるのかもしれません。
夜桜のスポットでは、宴会を禁止している場所も多いので、そういった方にはうってつけなのかもしれません。
ただ、なぜ夜桜の良さは単なる静けさだけでなく、昼間とは全く別の顔を見せるからだと思います。
そして、そこには「ライトアップ」という現代の技術がかかせません。
現代の技術 ライトアップと背景
吉宗の時代も、松明(たいまつ)などの明かりで夜桜を楽しんだのでしょうが、やはりスポットライトを遣ってライトアップされるとまるで印象が変わります。舞台の照明と同じ事ですね。
下からライトを当てているので、桜の木を下から見上げると、美しくライトを浴びた桜の花の背景が闇夜になります。奥が暗い背景色になる事で、桜の花がより浮き立つ効果があります。
近年オルセー美術館が大規模な改修工事を行いましたが、その一つが壁の色を落ち着いた暗い色に変えた事です。
これにより、よりそこに掛かっている絵画が浮き立って見えるようになったようです。
つまり、江戸時代の将軍ですら、今のスポットライトを浴びた芸術的な姿の桜を見ることはできなかったのです。
現代の技術があればこその実に贅沢な鑑賞だと思います。
日本の伝統的なお酒と、現代技術
話しが全く変わるようですが、日本の伝統的なお酒、お米から造った日本酒ですが、最近流行りの純米吟醸、または純米大吟醸。
これはお酒を造る際に、お米の中の白い心白(しんぱく)と呼ばれる部分以外をなるべく排除して美味しいお酒をつくろうとお米の5割から7割位を取り除いて造るお酒です。
とてもすっきりして香りの良いお酒が出来るのですが、これも現代の精米技術が無ければできません。
やはり、江戸時代の将軍であっても、こういったお酒を楽しむ事は出来なかったのです。
贅沢なお花見
私は、毎年近くの公園に咲いている見事な桜(ソメイヨシノ)を夜に楽しみに行きます。
公園なので、街灯があるので、夜でも照らし出されています。
計算してスポットライトを配置している夜桜スポットの様な美しさにはかないませんが、それでも十分見事な美しさと背景効果が楽しめます。
そこで、とっておきの純米吟醸酒を出して、ちびちびと花見酒を楽しみます。
日本の伝統と、現代技術の融合を楽しむひと時です。もちろん酔っ払ったりはしません(笑)
皆さんは、どんなお花見を楽しんでますか? 夜桜、おススメです。
夜桜を楽しめる全国スポットが紹介されています
⇒ 全国お花見1000景
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