干支(えと)の順番の由来とは? 面白いけどナゾだらけ!?

季節

干支(えと)の順番、皆さんはどうやって覚えましたか?

私は、子供の頃、ひたすら・・・
「ねー うし とら  うー たつ みー うま ひつじ  さる とり いぬいー」

ほとんど、念仏です(笑)

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干支には

  • なぜ、これらの動物 たちが選ばれたのか?
  • なぜ、ねずみから始まる順番なのか?

その由来についての逸話(いつわ)があるんです。

子供の頃、聞いた話では

神様が、元日(1月1日)の朝に、干支と、その順番を決めるために
動物たち競争させたというものでした。

093034ところが、大人になって、この由来には・・・

「お釈迦様バージョン」 がある 

ということを知りました。

そんな、干支の順番を決める由来の話について、まとめました。

  1. 干支の由来【お釈迦様バージョン】
    • 猫が干支に入れなかった理由
    • 猫が涅槃図(ねはんず)に無い本当の理由・・・
  2. 干支の由来【神様バージョン】(お釈迦様バージョンとの違い)
    • 作られたのは江戸時代以降?

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干支の由来 【お釈迦様 バージョン】

お釈迦さまが、具合が悪くなり寝込んでしまいました。

それを知った動物たちが、お見舞いのために
お釈迦様の元に向かいました。

ネズミは、早く、お釈迦様の元へかけつけようと
朝いちばんで飛び出し、せっせと走ります。

体が小さい分、いっぱい走らなければいけません。

ついに、疲れて休もうと思った、その時・・・・
前にウシの背中が、見えてきました。

足が遅かったウシは、遅れてはいけないと、
前の晩に家を出ていたのです。

ねずみは、ウシの背中に飛び乗ると、ゆうゆうと
背中の上で休みながら、そのまま

お釈迦様の家の前まで来ました。

牛が部屋に入る前に、ネズミは背中の上から
ぴょんと飛び降りると

ちゃっかり、一番早く、お釈迦様のもとに着きました。

その後・・・

トラ、ウサギ、リュウ、ヘビ、ウマ、ヒツジ、サル、トリ、イヌ、イノシシ 

といった順で、到着し、皆でお釈迦様のお見舞いをしました。

このお見舞いにかけつけた最初の、12の動物が、干支となり、
そして、到着順で干支の順番が決まったということです。

実は、この話には、「 猫 」 に関する話があるんです。

本当は、「 猫 」 が 干支の中に入っていたのですが・・・
問題を起こしたために、外されてしまったという話です。

では、その話を見てみましょう。

猫が干支に入れなかった理由

動物たちが、お見舞いに集まりましたが、
お釈迦様の具合は悪くなっていくばかりです。

そこで、摩耶夫人(マヤブジン お釈迦様のお母さん)が、
外に薬をとりにいきました。

帰ってくると、少しでも早く薬を渡そうと、外から家の中に
薬袋を、投げ入れました。

ところが、運悪く、庭の木に引っかかってしまいました。

ネズミが、薬袋を取るために、庭に飛び出て木に登ろう
としたところ、 ネコが、じゃまをしました。

結局、薬は間に合わず・・・

お釈迦様は、そのまま亡くなってしまいました。

なんとも、いたましい最後ですが・・・

これが原因で、猫は干支から、外されたといいます。

そして、その証拠に・・・

日本のお寺にある、お釈迦様の臨終を描いた涅槃図(ねはんず)には
様々な動物が描かれています。

しかし、猫が描かれている ものが、ほとんどありません。

猫が涅槃図(ねはんず)に無い本当の理由・・・

たしかに、日本の古い時代の涅槃図には
猫が描かれていないものが、多いようです。

しかし、江戸時代の涅槃図には猫が描きこまれています。
また、中国の涅槃図には、しっかりと描かれています。

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江戸時代に書かれた涅槃図
(画面の左下に黒猫が描かれています)

実は、猫は、もともと日本には生息していない動物で、 奈良時代に、経典を「ねずみ」に荒らされないように、 中国から輸入されたという説があります。

つまり、単に当時の日本に、まだ、猫がいなかったために 日本の絵師が描けなかった。

・・・・というのが、どうやら真実のようです。179460

それにしても、経典を荒らすはずの、ねずみが、物語りでは良い者で、 経典を守る猫が、悪い者になっているというのは・・・

なんとも、皮肉な話ですよね(笑)

干支の由来【神様バージョン】(お釈迦様バージョンとの違い)

お釈迦さまバージョンとの違いを、以下に書きます

  • 神様は、次の元日1月1日挨拶にきた先着12名を、十二支として
    特別なものとする事に決めた。
    十二支は、毎年一年ずつ、その年の動物の大将にすると伝えた。

    は、この話をねずみから伝えられるが・・・
    その時、ねずみはわざと1月2日の朝だとウソを教える。

    猫は、一日遅れで神様のもとへ行き、そこで、ねずみにだまされた
    ことに気が付く。

    猫は十二支にはなれず、猫はねずみを追い掛けるようになった。

  • は、仲の悪かった、猿と犬の間に入りケンカの仲裁をした
    そのため 猿・鳥・犬の順番になった。
  • は、かなり早く着いていたが、お釈迦様の家の前で止まる事ができず
    結局12番目になってしまった。
  • 13番目に、かえるが着いたが、12番目までに入れ無かったことを知り
    「かえる」といって帰っていった。

神様バージョンは、「新年 十二支争奪大レース」 といった感じですね(笑)

12番に入れなかったら帰っちゃったりしています。

作られたのは江戸時代以降?

092813それにしても、神様バージョンはかなりくだけています。

かえるだけに「かえる」といって帰ったりとか・・・

犬猿の仲
だったから間に、にわとりが入ったとか・・・
間を「とりもった」とでも言いたいんでしょうか?(笑)

猪は、これ明らかに猪突猛進で、止まれずということですよね。

全てが「洒落(しゃれ)」ですよね、まるで落語の世界です。
なんか、江戸時代の臭いがプンプンします(笑)

この話が江戸時代に、作られたものだと思っても、決して
言いすぎではないように思います。

この話はなぞだらけ・・・(笑)

十二支は、もともとは、1年を12分割するという天文学からきていて
古代中国から伝わったものです。

おそらく、十二支の誕生や順番にまつわる、この話も中国から伝わったのでしょう。

神様バージョンは、どうみても江戸時代以降に作られた話としか思えません。
つまり、江戸時代以降に、誰かが中国から伝わった元の話を、面白おかしく
脚色したもではないか、と思うんです。

129177それじゃ、お釈迦様バージョンが、正しい由来なのか?
というと、それも、疑問があります。

お釈迦さまバージョンにしても、神様バージョンにしても
お釈迦様や神様に対する、尊厳や威厳が感じられません(笑)

ずるをして勝った、ねずがそのまま一番って・・・
神様、それでいいのか? って子供心に思いました(笑)

お釈迦様バージョンは、そもそも、お見舞いに来た順番で十二支を決める
なんて、お釈迦さまは一言も言っていません(笑)

なんか、とってつけたように順番を決める話となっていて、違和感を感じます。

本当に順番によって十二支が決めるのなら、もっと十二支全員に
その順番の理由付けをする気がしませんか?

この話は、別の意味があったものを、「十二支の順番」の話に、すりかわり
現代に伝わったもののような気がしてなりません。

仏教で、12という数値を考えた時、十二支以外には、釈迦が悟りを開いたときに
その確認をするために使ったという、「 十二縁起  」があります。

実は、何かそれを暗示する逸話が、もともとあり、それがいつの間にか順番を
決めるレース話にとって変わったという気がしてなりません。

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十二支について

十二支については、過去に投稿しています。
よければ、そちらをご覧ください。
こちら ⇒12の意味 とは? この数字に迫ります

あとがき

あらためて、こうやって十二支について書いてみると、
すごく面白いですね。

084160十二支って、年賀状を書く時くらいしか意識しませんが
実は、年だけではなく、月や日にも、さらには、時間にも
使われているんですよね。

うなぎで有名な「土用の丑の日(どようのうしのひ)」とか、
草木も眠る、丑三つ時(うしみつどき)とかです。

現代では、あまり意識することがなくなっていますが、
十二支は、とても生活に根付いているものですね。

こうやって、見てみると「12 」という数字にまつわる世界は
とても、おもしろいですね。

それに、干支(えと)と十二支(じゅうにし)
ここでは、一般的に同じ意味として使われているので
干支=十二支として書きました。

しかし、間違いではないものの、厳密には違うそうです。

話がややこしくなるので、今回は触れませんでしたが

まだまだ、書く事がありそうです(笑)

【追記】
 干支と十二支の違いについては、こちらを参照してください
 ⇒ 干支 と 十二支 との違いって? 自分の「えと」 知っていますか?

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