「 ブラックボックス(Black Box)」 という言葉が、飛行機の事故が起きた時に必ず出てきます。
「 黒い箱 」って一体何のことだろう・・・? と思いますよね。
現代の航空機は、様々なコンピューターを使って飛行しています。
飛行の制御をするものや、飛行のルートを計算するもの、飛行中の様々なデータを保存するものなど多種多様です。
ブラックボックスとは?
コンピューターは、一つの箱(ユニット)として搭載されています。
形、多きさ、などはまちまちですが、パソコンが何台も搭載されているイメージです。
これらのコンピューター類を、ブラックボックス(Black Box)と呼んでいるのですが、名前の通り黒く塗られているものもあれば、赤だったり青だったりするものあります。
ブラックボックス(Black Box)と言っておきながら、箱の色は赤だったりするわけですが、ブラックボックスという名前の由来は、箱の色から来ているわけではないんです。
ブラックボックス(Black Box)の名前の由来
ブラックボックス(Black Box)というのは、その中で行われている計算回路や動作原理、ロジックを知らなくても、外部から操作が出来て、決まった目的の結果を得る事の出来る装置の事を指します。
そういう意味では、コンピューターは全てブラックボックス と言えます。
パソコン(PC)も、CPUやメモリなど、中でどの様に計算や処理がされているかは知らなくても、キーボードを叩いて文章を作ったり、マウスを動かしてクリックする事で、目的とする結果を得ることができます。
もっと身近な例をあげれば、電子レンジ、DVD や Blue-rayデッキも、更には、テレビ だってブラックボックス(Black Box)と言えます。
別に、内部でどんな事がされているのかは知らなくても、簡単な操作で目的の結果が得られていますよね。
航空機の事故で必要となるブラックボックス
航空機の事故の時に、ニュースや新聞などで出てくるブラックボックス(Black Box)は間違いなく以下の2つです。
ボイスレコーダー(CVR)
フライトレコーダー(FDR)
これらは、事故の解析には無くてはならないものです。
事故が発生した時に、見つけやすいように 赤やオレンジ色が使用されています。
それでは、これらが何をしているのか、簡単に説明しましょう。
ボイスレコーダー
ボイスレコーダー、正式には、コックピットボイスレコーダー(CVR : Cockpit Voice Recorder)と呼びます。
その名前の通り、操縦室の音声を記録している装置です。
一体、何を使って記録しているのか? は、航空機の世代にもよるのですが以下の2種類があります。
録音テープ
フラッシュメモリ
「録音テープ」
古いタイプの航空機には大体これが搭載されています。
30分のエンドレステープで、飛行中の音声を常に30分間上書きしていきながら、ずっと録音されていきます。
つまり事故が起きた時には、最後の30分間の音声が記録されている事になります。
「フラッシュメモリ」
新しいタイプの飛行機には、フラッシュメモリのタイプが搭載されています。
時間も120分まで、録音時間が延びています(もっと長いものもあるかもしれません)
テープと同じで、飛行中の音声を常に120分間上書きしていきながら、ずっと録音されていきます。
ものすごい耐久性!
航空機に搭載されるブラックボックスと呼ばれる、ボイスレコーダー。
さぞかしハイテクで固められているのかと思いきや、家電にあるような音声記録装置と大して変わりないですよね。
進化も、カセットテープから、ICメモリレコーダーに代わった家電の歴史と同じです。
しかし、飛行機に搭載されているボイスレコーダーと、家電の音声レコーダーとは大きな違いがあるんです。
それは、航空機のボイスレコーダーは 「 墜落などの重大事故の原因解析 」に使用されているということです。
航空機が破壊や火災に見まわれても、記録内容を保存できなければ意味がありません。
場合によっては海中に落ちる場合だってあります。
心臓部の録音テープやフラッシュメモリといった記録メディア(媒体)は、耐熱・耐衝撃構造のカプセルに入っています。
その耐性は以下の通りとなっています。
耐熱 : 1100℃ の温度に 30分間
耐衝撃 : 1000G の衝撃に、0.011秒間
耐水 : 水中に 48時間
これはすごいですね。
これなら、ほとんどの事故でも解析が可能なわけです。
尚、海中や河といった水中にある場合、捜索が困難となる事を避けるため、ボイスレコーダーの位置を知らせるための電波シグナルが30日間自動発信されるようになっています。
続いて、フライトレコーダー(FDR)ですが・・・
少し長くなりました(笑)
続きは、また書きます。
続きはこちらから ⇒ ブラックボックスとは? フライトレコーダーで飛行機事故解析
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