ハロウィン!クリスマス同様、日本でもすっかり定着した感じがありますよね。
ハロウィンを、毎年、家族や恋人同士でディズニーランドや、レストランやホテルが企画する仮装パーティに参加して過ごすという人も、ずいぶん多くなりました。
さすがに、子供が、お化けの仮装をしてTrick or Treat!(おかしをくれないとイタズラしちゃうよ!)と言いながら、街中を練り歩くということはありませんけどね(笑)
ところで、ハロウィンといえば、黄色いかぼちゃ!
お化けの顔に細工したりしますよね。
アメリカでは、ハロウィンの前には、大小様々な大きさの黄色いかぼちゃが大量にスーパーに並べられます。
日本でも、最近、店頭に並ぶようになりましたよね。
それにしても、あの「かぼちゃのお化け」って、一体何ものなのか、ご存知ですか?
実は、かぼちゃのお化け・・・
そのルーツをたどると、かぶに行き着くって知っていましたか!?
今回は、そんな皆知ってるけど、よく分からないハロウインのかぼちゃの由来についてせまりたいと思います。
最後に、かぼちゃのお化けの作り方について、動画で紹介していますので、作ってみたいという方は、是非、参考にしてみてください。
かぼちゃのお化けって一体何者?
ハロウィンの由来の前に、どうしても気になる、あのかぼちゃのお化けについて見て行きましょう。
あの、かぼちゃのお化け、名前がちゃんとあります。
その名前は・・・
ジャック・オー・ランタン
(Jack-O’-Lantern)
ランタン(Lantern)というのは、手に持つランプのこと。
今で言えば、懐中電灯ですね。
このオーというのうのは、英語の OF が省略されて O’ となったもの・・・
つまり、ジャック オブ ランタン(Jack Of Lantern)
ランタンのジャック ⇒ ランタンを持つジャック という意味ですね。
ジャックというのは欧米では一般的な男性の名前です。
日本の名前でいえば、太郎や次郎といったところ、超メジャーな名前です。
さて、そんな ランタンを持つジャック とは、一体何者なのでしょうか?
実は、このジャックには、アイルランドに伝わる伝説があります。
次にそれをご紹介します。
ランタンを持つジャック
昔、ジャックという 鍛冶 屋の男がいました。
このジャック、ケチでウソつき、そしてなまけ者で有名な男で、いつも飲んだくれていました。
ハロウィンの日も、いつもの様にジャックは酒場で飲んでいました。
と、そこに悪魔が現れます。
私はその迎えに来ました
こう言われたジャックは驚くどころか、静かな顔で悪魔に答えます。
でも、ちょっとコイン(お金)が足りないから、ちょっとの間、コインに化けてくれない?
悪魔は、ジャックの最後の願いということで、コインに化けてジャックのお財布の中に入ります。
すると、ずる賢いジャックは、身につけていたシルバークロス(銀の十字架)を財布にいれ、悪魔の化けているコインを押さえつけました。
悪魔は、クロス(十字架)によって、力を奪われ、元の姿に戻れなくなってしまいました。
困り果てた悪魔は、助けてくれるようジャックに頼みます。
ジャックは、数年の間は、命をとりに来ないということを条件に、悪魔を解放します。
悪魔は地獄へ帰って行きました。
数年後・・・
ジャックが道を歩いていると、数年前、酒場に現れた、 あの 悪魔がまた現れました。
今度こそ一緒に地獄に行ってもらいますよ
ジャックは、分かったとうなずきます。
あの実を取ってくれないかな?
悪魔は、最後のお願いくらい聞いてあげようと思い、木に登って実を取り、木の上からその実をジャックに手渡します。
ジャックは実を受け取ると、すぐさま、木の幹にナイフでクロス(十字架)を彫りつけます。
このクロスによって、悪魔は動けなくなってしまい木から降りることができなくなってしまいました。
悪魔はジャックに十字架を消すように頼みます。
ジャックは、今度は何があっても 地獄に連れて行かないという約束をさせた上で、悪魔を解放してやります。
月日は経ち、やがてジャックは病気にかかり亡くなりました。
ジャックの魂は、天国へと向かいましたが、ジャックの生前の行いが審判された結果、天国へは入れさせてもらえません。
しぶしぶと地獄へ向かったところ、地獄の門の前に、例のあの悪魔がいます。
悪魔は困った顔をします
何があっても地獄には連れていかないと約束したのを忘れたのですか?
ひどく肩を落として立ち去ろうとするジャック・・・
気の毒に思った悪魔は、地獄の業火で燃えた石炭を灯りとして、ジャックに与えました。
ジャックは、それを受け取ると近くにあったかぶをくり抜き、その中に悪魔からもらった石炭を入れてランタンにしました。
こうして、かぶのランタンを持つジャックは、今でもあの世とこの世の間をさまよっているといいます。
これが、「ジャック・オー・ランタン」の伝説です。
伝説ではかぶなのに、なぜかぼちゃ!?
まるでイソップ物語の様な教訓が含まれている、因果応報なお話ですが、なんとも人のいい悪魔が登場しますよね・・・
本当に悪魔か!?って思ってしまいます(笑)
もともとは、かぶのランタンだったということが、この伝説で分かりました。
かぶというと、かぼちゃと違って小さいイメージがあると思います。
確かに日本の一般的なかぶは小さいですもんね。
でも、アイルランドやイギリスのかぶは、日本のそれと違って、かなり大きなものがあり、じゅうぶんランタンになります。
でも、どうして、伝説にあった、かぶのランタンが、かぼちゃのランタンに変わってしまったんでしょうか?
そこを、もっと掘り下げて調べてみました。
かぶから、かぼちゃへ
かぶ から かぼちゃ・・・どこで変わったのか?
調べてみたところ、実は、イギリスの北部、スコットランドでは、ハロウィンには、今でもかぶをくり抜いてランタンにする風習が残っていることが分かりました。
そこで使われるかぶは、ルタバガと呼ばれるものです。
スコットランドの、伝統料理にマッシュした料理があります。
マッシュとは、ゆでた野菜などを裏ごしして作る料理のことです。
最も有名なマッシュ料理が、ご存知マッシュポテト。
実は、このマッシュポテトと並ぶスコットランドの伝統料理が・・・
マッシュルタバガ です。
このルタバガ(rutabaga)は、スコットランドでは、一般的にかぶ(turnip)と呼ばれています。
植物分類学において正式には、ルタバガは、かぶとは別の品種なのですが、見た目がかぶなので、かぶと呼ばれているようです。
ハロウィンの時期、このルタバガを使って、今でも、ランタン作りが行われるそうです。
では、かぶから、かぼちゃに替わったのは、一体どこなのか?
その答えは・・・
アメリカ です。
アメリカに移住をしたアイルランド人が、ジャック・オー・ランタンを作ろうとしたところ、かぶが不作だった為、豊作で有り余っていたかぼちゃを使って作った所、そのユーモラスな姿が大人気となり定着したというものです。
現在、よく目にするかぼちゃ版ジャック・オー・ランタンの誕生です。
さて、ここまでハロウィンのかぼちゃのお化け(ジャック・オー・ランタン)の名前や伝説、そして由来について見てきました。
しかし、そもそも、ジャック・オー・ランタンをハロウィンの日に飾る意味が何なのか? 最後に、それについて説明したいと思います。
やっぱり、ちゃんと意味が分かって飾りたいですもんね(笑)
ジャック・オー・ランタンを飾る意味
ジャック・オー・ランタンを飾る意味は、善霊を引き寄せ、悪霊を退散させるという意味がこめられているようです。
元は宗教的な意味合いが強いものでしたが、今は、たんなる魔除けのような意味合いのようですね。
ジャック・オー・ランタンが、お化けの姿をしているのも、魔除けだからなんでしょうね。
いずれにしても、日本にも獅子舞の獅子や、節分の、鬼は~外!福は~内!といったものと感覚は同じなんだと思います。
動画-ジャック・オー・ランタンの作り方
ジャック・オー・ランタンの作り方を紹介している動画です。
自作したい方は、是非参考にしてみてください。
この動画では、女性が作っていますので、お子さんに作ってあげようという、ママさんや幼稚園の先生なども参考になると思います。
httpss://youtu.be/sHetAZq-gaE
動画の彼女の最後の一言・・・(笑)
ということで、女性でも出来ますが、できれば男の人に頑張ってもらいましょう(笑)
ケガには十分注意をして、周囲に人や物が無い安全な状態で作って下さいね。
ハロウィンに関するその他の記事
ハロウィンに関する記事に以下のものもあります、是非、ご覧になって下さい。
まとめ
名前
- ジャック・オー・ランタン(ランタンを持つジャック)
伝説
- アイルランドの伝説で、ケチでウソつきのジャックが悪魔をだまして地獄に行かない約束をさせる。
しかし、彼が死んだ時、生前の行いにより天国には入れず、また約束の為、地獄にも入れず、火をともしたカブのランタンを持って暗闇をさまよい続けることになった。
かぶからかぼちゃへ
- 元はアイルランドやイギリスのかぶ(正確にはルタバガ)をくり抜いたものだったが、アメリカへ移民したアイルランド人が、かぶが不作だったため、豊作のかぼちゃでジャック・オー・ランタンを作った所、人気が出て定着した。
- 日本では、このアメリカの風習が伝わってきた。
あとがき
ハロウィンに関して言えば、イギリスよりもアメリカがすごいですね。
アメリカのスーパーで売っているハロウィン用のかぼちゃ!
これが、とんでもない大きさのものもあったり、スケールが日本とまるで違います。
アメリカの友人に聞いたら、この黄色いかぼちゃや食用ではなくて、あくまでハロウィンの飾り用なんだそうです。
スーパーにあるかぼちゃの数に圧倒されます。
大量生産、大量消費のアメリカ社会を垣間見た瞬間でした(笑)
それにしても、今度イギリス・スコットランドに行く機会が、ハロウィンの時期にあったら、是非、かぶ(ルタバガ)のジャック・オー・ランタンを見てみたいですね。
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