最近は、日本でもディズニーランドなどを中心にイベントが増え、ハロウィンを家族や友人、恋人と楽しむという人が多くなりましたよね。
しかし、それでもアメリカに比べると、まだまだ小規模。
日本では、クリスマスには家の周囲にイルミネーションなどの飾り付けをする家はありますが、ハロウィンに家の外に何か飾りつけをするという人は、まずいませんよね。
アメリカでは、ハロウィンの日も、家の周囲にデコレーションをする家が多くあります。
また、もっと大きな違いは、アメリカではハロウィンの日には、必ず仮装して練り歩いている子どもたちの集団に会います。
仮装は子供だけではありません、大人でも仮装している人達に出会います。
大人の中にはダースベイダーやインディージョーンズ、ジャック・スパロウなど超本格派なコスチュームもあります(笑)
しかし、そんなアメリカ人の友人に、ハロウィンの起源や由来、そしてハロウィンをやる意味について聞いても、皆、首をかしげます。
- 「ただの仮装パーティ祭りじゃないのかな」
- 「子供がお菓子をもらう日」
日本のお盆(親族などの魂が家に帰る日)に近いのかな・・・と思って聞いたのですが、そういう回答は全くありませんでした(笑)
そんなアメリカ人も知らないハロウィンの起源や発祥国について、今回はせまりたいと思います。
ハロウィンの起源
調べたところ、ハロウィンは、古代ケルト人の風習が残ったものと考えられているようです。
ハロウィンは10月31日
この10月31日を、古代ケルト人は1年の終わりと考えていました。
そして、この日の夜に、亡くなった家族の霊が家に帰ると古代ケルト人は信じていたんですね。
日本のお盆と大晦日(おおみそか)が、いっしょになった・・・そんな感じです(笑)
ただし、日本のお盆とは決定的に違う部分があります。
それは、出てくる霊が家族だけではなく、人に害を及ぼす魔女や精霊(日本で言う妖怪)も出てくるんです。
ハロウィンは、そんな災いの元となる 悪霊を退散させるという宗教的な意味合いのある祭りが起源と考えられています。
ハロウィンの発祥国は、古代ケルト人の国ということになりますが・・・
古代ケルト人の国ってどんな国?
そもそも、古代ケルト人ってどんな民族?
分からない事だらけです(笑)
その辺りも、少し調べてみました。
ハロウィンの発祥国
古代ケルト人は、紀元前1500年頃、中央アジアから、現在のフランス中部あたりに移り住み、その後、ヨーロッパ中に広がっていきます。
現在のフランスを中心とした地域に住んでいたのは、ケルト人の一派でガリア人です。
(ガリア人はケルト人だけではなく、ゲルマン人も入っているとされる)
ガリアは「ガリア戦記」にもあるように、やがて古代ローマ帝国に吸収され属州となります。
従って、古代の話で国家がまだきちんと形成される前なので、発祥国と断定することはできませんが、当時のガリア人が住んでいた、現在のアイルランド、イギリス、フランスを中心とした周辺でハロウィンは誕生したと言っていいでしょう。
古代ケルトの文化は、現在でも残っています。
ケルト語を母体とする言語には、次のものがあります。
- アイルランド語 アイルランド
- アルバ・ゲール語 スコットランドランド・イギリス
- ウェールズ語 ウェールズ・イギリス
- コーンウォール語 コーンウォール・イギリス
- マニン/ゲール語 マン島・イギリス
- ブルトン語 ブルターニュ・フランス
これらアイルランド、スコットランド、ウェールズなど(イギリス)、ブルターニュ(ブランス)には、古いハロウィンのしきたりが残っています。
特に、ハロウィンに登場するかぼちゃのお化け(ジャック・オー・ランタン)は、元々は「かぶ」で作られていて、その風習は現在でも引き継がれています。
ハロウィンには、古代ケルト人の宗教観から来ていると言われていますが、一体どの様な宗教だったのか簡単に見てみましょう。
ケルト人の宗教観
古代ケルト人の宗教は、多くの古代文明にあるように、自然崇拝の多神教でした。
自然を崇拝する多神教は、山や川、そして森など色んなもの(万物)に神や精霊が宿ると考えている宗教観です。
これって、実は日本に似ています。
日本でも、八百万の神(やおよろずのかみ)といって多くの神様が存在しています。
そして、山や川といったあらゆるものに、神や精霊が宿るという考えられています。
ジブリの映画の、もののけ姫や、千と千尋の神隠しは、まさにこの日本の自然崇拝をテーマにしたお話でした。
そして、日本でも色んな妖怪が出てくるように、ケルトの人達も精霊には、善霊もあれば悪霊もあると考えていたんですね。
古代ケルト人と、昔の日本人、非常に近い感性を持っていたんだと思います。
そう思うと少し、親近感がわきますよね。
宗教的な行事から娯楽へ
日本の、盆踊りや夏祭り、元は、仏教や神教の儀式から来ていますが、宗教的な意味あいは抜きに、人々の娯楽となっていますよね。
ハロウィンも、まさに同じです。
今でも、ケルトの文化が強く残りアイルランドの人達が、アメリカ開拓の時代にアメリカに移った時に、この風習がアメリカに持ち込まれました。
そして、この風習がアメリカに根付き、そしてアメリカらしく発展していき、今のハロウィンの派手な仮装パーティになっていきました。
やることが派手で、フェスティバル好きのアメリカ人の感覚で、今の様なスタイルに定着したということですね。
ハロウィンに関する記事
ハロウィンに関する記事に以下のものもあります、是非、ご覧になって下さい。
まとめ
ハロウィンの起源
- ハロウィンの日(10月31日)は古代ケルト人の一年の終わりの日
- この日に家族の霊がよみがえるが悪霊も出てくると考えられた
- これらの悪霊を退散させるための宗教的な儀式が起源と考えられている
ハロウィンの発祥国
- 古代ケルト人が居住したガリア(今のフランス)やその周辺と考えられる
- ケルトの文化は今でも、アイルランド、スコットランドなどイギリスの一部、フランス・ブルターニュなどに残る
- 現在のハロウィンの仮装パーティのスタイルは、アメリカによって作られた
あとがき
ハロウィンのお化け、なんとなく日本のお化けや、お盆の雰囲気を感じましたが、やはりその起源(ルーツ)を見ていくと、日本の伝統文化と共通する自然崇拝観につながりました。
江戸時代の人達にとって妖怪やお化けは、怖いもの見たさというスリルを味わうといった楽しみ方とは別に、今のゆるキャラのような感覚があったようです。
おそらく、古代ケルト人も、ハロウィンは、最初こそ純粋に宗教的な儀式だったのかもしれませんが、時代と共に変わっていったんだと思います。
子供に、お化けのかっこうをさせるんですから、ある意味、最強無敵のゆるキャラですよね(笑)
コメント
福島に古い伝統行事で秋の夜子供達が近辺の家を廻り菓子や食べ物を要求する事が有りました。何と言う名前か知りませんが「団子食いたいコッコッコ」と言いながら私(81歳)も廻った記憶があります。これはケルトのハロウィーンが古い時代に日本にも伝わったものでないでしょうか? 今では乞食みたいだからとやめているようです。
私(現在81歳)の記憶違いかと思い何人かの福島市出身に確認しましたが皆さん覚えていました。
星さん、コメントありがとうございます。
ケルトから、福島に伝わっている伝統行事というのは、とても興味深いですね!
もしかして、支倉遣欧使節団から持ち込まれたものとか⁈ なんだか、とても興味深い風習ですね。