ルネサンスの絵画 レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作『モナ・リザ』はココを見る!

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モナ・リザ


ルネサンスの絵画シリーズで、既に巨匠であるレオナルド・ダ・ヴィンチ自身については、とりあげています。

しかし、やはりルネサンスを代表する名画『モナ・リザ』について、もっと詳しく解説しておく必要があるのではないかと思いました。

この名画、あまりに有名なため、見るべきポイントを押さえて鑑賞している人は、実はあまりいないのではないか?と思っています。
(もちろん、あくまで個人の感想です…)

今回は、ダ・ヴィンチの『モナ・リザ』について、お届けしたいと思います。

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 この永遠の微笑の持ち主は、一体、誰??

モナ・リザ


さて、モナ・リザと呼んでいる絵画ですが、そもそも、この女性の名前が『モナ・リザ』なのでしょうか?

実は、モナ・リザは、当時のイタリア語ではMona Lisaと書き、発音は少し伸ばして「モンナ・リーザ」と呼んでいました。
この、Monaは、ma donna (マドンナ)を短くして表現したもの、マドンナは、私の淑女(しゅくじょ)とか、私の貴婦人(きふじん)といった意味があるので、「モナ・リザ」は、私の麗しきリーザといったところでしょうか。

では、リーザ(Lisa)は誰かというと、これは、はっきりと記録に残っていて、フィレンツェで絹の商売を営んでいた豪商で、フランチェスコ・デル・ジョコンダの妻で、リーザ・デル・ジョコンダが、その人です。

なので、イタリアやフランスなどでは、モナ・リザという呼び方のほかに、ジョコンダ夫人という呼び名も一般的になっています。

ただし、本当にジョコンダ夫人(リーザ・デル・ジョコンダ)をモデルにして描いたかどうかは、様々な説があり、異論も多いところです。

その一つの根拠が、髪の毛を下ろしている状態で描かれていること、当時は髪を下ろして描かれた女性は娼婦が多かったこともあります。
また、依頼品であるにも関わらず、この絵画は、ダ・ヴィンチが終生まで持ち歩き加筆を加えていることが知られています。

本当に、豪商ジョコンダからの依頼で描いたのであれば、なぜそれを納めていないのか?

ダ・ヴィンチは、ちょっとダメな巨匠でもあり、作品を依頼通りに最後まで仕上げられないところがあり、この作品も当初は、ジョコンダ夫人として描き始めたが、依頼通りに作らない、または完成させられないなどの理由でジョコンダ家が取引を断り、その後、ダ・ヴィンチが好きな様に加筆していった可能性が高い絵画なのです。

なお、モナ・リザは黒っぽい地味な服を着ていることから、喪服姿を描いた説がありましたが、2006年に大掛かりな調査が行われ、その時に産婦が着る薄いガーゼの服が描かれていることが判明しています。

ジョコンダ夫人が、次男アンドレアを産んだ出産祝いの絵画として購入しようとしたものではないかと考えられています。

いずれにしても、謎の多い名画、この謎が、モナ・リザの謎めいた微笑と重なって、観る者を魅了しているのは間違いありません。

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 『モナ・リザ』ちりばめられた新しい技法

モナ・リザは、ダ・ヴィンチが取り込んだ新しい技法をふんだんに取り入れて作られています。

 スフマート

ダ・ヴィンチの代名詞ともいえる、この技法です。
輪郭線など存在しないと考えていたダ・ヴィンチは、どこで切り替わるのか認識できないような絶妙な色彩のグラデーションを使って、顔の輪郭を描いています。

鼻から目元、そして口元にも、このスフマートの技法がふんだんに使われていて、これが微笑んでいるようにも、そうでないようにもとれる、謎の微笑の効果を生み出しています。

彫像・彫刻を最も高貴な芸術と捉えていたミケランジェロに対し、絵画こそが最も崇高と考えていた、その根拠が、このスフマートの技法にあると思われます。

つまり、2次元の世界に芸術の技法によって、3次元を感じさせるような技法です。

空気遠近法 

これは、一点透視図法の様に幾何学的な遠近法に、遠くのものほど青みを帯びて、境界がぼやけるという空気と光の作用による影響を絵画にとりこんだものが、空気遠近法です。

モナリザの背景は、まさにこの空気遠近法で描かれている典型的な絵画です。

 4分の3正面の肖像画

ルネサンスに入っても、イタリアの肖像画は横顔が一般的でした。

フェデリコの肖像(ピエロ・デッラ・フランチェスカ作)


しかしネーデルランド(現在のオランダ)で、ヤンファンエイクなど、ネーデルランドの画家たちによってい、15世紀に生まれたのが、体を4分3正面(真正面から少し横に向けた状態)、ちょっと斜に構えた肖像画です。

ヤン・ファン・エイク自画像


もちろん、横顔に比べると、はるかに、その人物の特徴を表現するのに、この4分3正面は有効な手段であり、ダ・ヴィンチが飛びつかないはずがないといった感じです(笑)

 女性の笑顔の肖像

今でこそ、女性の肖像画やポートレイトの写真などは、笑顔が当たり前かもしれませんが、当時はキリスト教が支配した時代、人間の笑顔の肖像画などは卑しさとしてとらえられてしまう時代でした。

フェデリコの妻バティスタの肖像(ピエロ・デッラ・フランチェスカ作)


このことが、スフマートにより笑顔に見えているだけであって、笑顔としては描いていないという、謎の微笑論争になっているゆえんでもあります。

しかし、マリアやアンナなどと同じスフマートによる柔らかい微笑を、人間であるモナ・リザに対しても使って描いているとしか思えません。

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まとめ

Checkルネサンスの絵画
『モナ・リザ』

allowrd_r1 モナ・リザ(mona liza)とは?
モナとは、マドンナのこと、つまりモナ・リザは、私の貴婦人リーザという意味。くだけて言うなら、私の麗しき淑女リーザという感じ。
モデルはフィレンツェの豪商ジョコンダの妻のリーザと言われている。イタリアでは、この絵画を『ジョコンダ夫人』と呼ぶ人も多い


allowrd_g1 モナ・リザには新しい技法や試みが

空気遠近法、スフマートなどの新しい技法、そして3/4正面などフランドル絵画の肖像画のスタイルを取り入れている。
女性の微笑みの肖像画なども画期的と言える(スフマートにより微笑に見えているだけで、微笑んでない説もある)

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 あとがき

前回、ルネサンスの絵画 レオナルド・ダ・ヴィンチ編でも、モナ・リザは少しとりあげましたが、やはり、この絵は、これだけで説明しても、まだ説明しきれないほどのボリュームがあります。

実はこの絵画、ルーブル美術館で盗難にもあっていて、二度と戻らないだろうと言われたこともあります。
しかも、その犯人だと疑われたのが、フランスの詩人ギヨーム・アポリネール、友人だったパブロ・ピカソまでが犯人一味として疑われ逮捕されているんです。

そんな数奇な運命をたどった名画中の名画、謎の微笑みがこれほど似合う作品も他には無いでしょうね。

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