刀の部位の名称!?知って観るから面白い!

刀剣鑑賞がブームですね!

博物館や美術館でも、刀剣コーナーに人気が集まっています、また、刀剣に関する特別展もよく開催され人気となっています。
1774

刀剣というと、一見どれも同じに見えてしまうかもしれませんが、実は違いが色々あって、見どころも満載なんです。

展示も、刀の刃の部分だけでなく、 こしら えと呼ばれる、 さや や、 つか にも、観るべきポイントがたくさんあります。

そんな、日本刀には、色々と部位があって、それぞれ各部に名称がついています。

 刀の各部位ごとに、実は見所満載な鑑賞物なんですが・・・

170963 今回は、そんな、刀の各部位の名称から、鑑賞ポイントまでを、初心者向けに簡単にまとめて、お届けします。


刀身の名称

まず、最初に日本刀の、刀身の各部位の名称について、ご覧ください。


日本刀刀身各部名称
 番号 名称  読み
 1  刀身 とうしん
 2 物打  ものうち
 3  鋩子 ぼうし
 4  茎尻 なかごじり
 5  茎 なかご
 6  目釘穴 めくぎあな
 7 はばき  はばき
 8  刃文 はもん
 9  切刃 きりば
10 棟  むね 
11  平地 ひらじ
12  鎬 しのぎ
13  切先  きっさき

 146747鑑賞のポイント

それぞれの部位に鑑賞ポイントはあります。

しかし、イチオシといえば、やはり刃文(はもん)が最大の見所になります。

刃文には、様々な種類がありますが、主要なものは、大体以下の組み合わせになります。

刃文をつくる線の現れ方


  • 匂本位(においほんい)
    刃文の境目がうっすらときれいな状態
  • 沸本位(にえほんい)
    刃文の境目が粒子状にはっきりと見える状態

刃文の形


  • 直刃(すぐは)
  • 湾れ(のたれ)
  • 互の目(ぐのめ)

直刃
すぐは

細直刃(匂本位)
 刃文細直刃(匂本位)
 細直刃(沸本位)
 刃文細直刃(沸本位)
中直刃(匂本位)
 刃文中直刃(匂本位)
中直刃(沸本位)
 刃文中直刃(沸本位)
広直刃(匂本位)
 刃文広直刃(匂本位)
広直刃(沸本位)
刃文広直刃(沸本位)

湾れ
のたれ

小湾れ(匂本位)
刃文小湾れ(匂本位)
小湾れ(沸本位)
刃文小湾れ(沸本位)
大湾れ(匂本位)
刃文大湾れ(匂本位)
大湾れ(沸本位)
刃文大湾れ(沸本位)

互の目
ぐのめ

小互の目(匂本位)
刃文小互の目(匂本位)
小互の目(沸本位)
刃文小玉の目(沸本位)
大互の目(匂本位)
刃文大五の目(匂本位)
大互の目(沸本位)
刃文大互の目(沸本位)
肩落ち互の目(匂本位)
刃文肩落ち互の目(匂本位)

刃文(はもん)は、刀の切れ味などの実用性には影響がありません。
179458

刀工が、意図して特定の刃文を入れています。

それは、画家が絵を描くのと同じで、刀工が表現として刃文を作りこんでいます。

つまり、刃文こそが、まさに、刀の顔ともいうべき鑑賞ポイントです。

上記の分類では、大小や、細中広など、分類するために単純化していますが、実際には、大とも小ともいえないものなど、多々あります。

また、匂い本位も沸本位も、どちらとも言えない微妙な刃文も多く存在しています。

135886つまり、この表にある分類は、あくまで分類上の基本としての刃文であって、実際の鑑賞では、その作り手の個性がとにかく光ります。

展示会場では、刃文を見せるようにライトの当て方など工夫がされていますので、是非、刀ごとにまるで違う刀の刃文を楽しんで下さい。


柄(つか)鞘(さや)の名称

次に、日本刀の、柄(つか)と鞘(さや)の各部位の名称について、ご覧ください。


日本刀各部名称柄鞘
番号 名称 読み
1 つか
2 さや
3 頭  かしら
4  目貫 めぬき
5  目釘 めくぎ
6  縁 ふち
7 つば
8  鯉口 こいくち
9  笄 こうがい
10  小柄 こづか
11  栗形 くりがた
12  下緒 さげお 
13 こじり こじり 

鑑賞のポイント

015281刀剣の展示というと、刀の刀身や、柄、鞘といったものだけの様に感じますが、鐔(つば)や、笄(こうがい)、小柄(こづか)、目貫(めぬき)といったものが、別で展示されているケースが多くあります。

これは、鐔や笄などに、細かい細工がしてあり、それだけで美術鑑賞の作品といえるものだからです。


鐔(つば)

刀の鐔(つば)は、本当に色々あって楽しいです。

120185 当時の武士のお洒落度満載のアイテムといっていいと思います。

武士の刀というと、なんだかギラギラしているイメージがあるかもしれません・・・

でも、この鐔(つば)に関して言うと、ただひたすら粋やお洒落を追求したものが多いです。
特に、江戸時代の刀は、その傾向にあります。

鐔(つば)をちらつかせては、ドヤ顔をしている刀の持ち主の表情が感じられます(笑)


 鐔


    • 左側は、川の前の虎が描かれています
    • 真ん中は、蟹(かに)の模様です
    • 右側は、枝菊に短冊の模様です(大小のセット)

穴が3つあるのは、刀身以外に、笄(こうがい)と小柄(こづか)を通すためです


目貫・笄・小柄・縁銘

目貫や笄などの、金具をまとめて展示している方法もよくとられます。
082980

刀のままケース内に飾られると、遠すぎて細かい細工が一切見えませんが、別で展示されると、よりよくその細工の美しさ、精密さが確認できます。

刀剣鑑賞で、刀身そのものよりも、こういった拵(こしら)えと呼ばれる、装飾品にだけ興味のある方もいるくらいです。


 拵え_笄_目貫 上段左から目貫の飾り、小柄(小刀の柄の部分だけ)、縁銘(縁の飾り) 下段は、笄(こうがい)頭をかいたり、髪の毛を整えたりするのに使うもの

右の写真は、左半分を拡大したものです。細工の細かさが分かります。


 目貫_笄 目貫飾りにも色々あります。右側は、かたつむりを形どったものです。 左側は、小柄で龍の細工です。細かいです(笑)

刀剣に関する記事

刀剣に関する記事に以下のものもあります、是非、ご覧になって下さい。


まとめ081377

Check刀の部位の名称

allowrd_r1 刀の展示方法


  • 刀身と柄や さや といった こしら えを別で展示
  • 拵えは、更に、金具などだけ別で展示されている場合がある

allowrd_r1 鑑賞のポイント


  • 刀身の顔はなんといっても刃文拵えは、特に つば 目貫 めぬき こうがい など

あとがき

やはり、武士の魂と呼ばれる刀です。
084160

刀身自身の美しさは、もちろんですが、それ以外の部分のこだわりもすごいですね。

人間って、普段、身近に持ち歩くものや、使うものに関しては、すごいこだわりを持つ習性があるんでしょうね。

刀を見ていると、本当に当時の武士が、こういった現代人が、バッグや靴、更には車などに、ものすごくこだわるのと同じことなんだな~と強く感じます。

そして、歴史の教科書や、時代劇の世界の遠くに感じていた人々を、急に身近に感じることが出来ます。

 刀の作り手や、使い手の想いを感じながら、刀剣鑑賞を楽しんで下さい。

  

スポンサーリンク

                                                               

   

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください