ヘラクレス と アトラス
この名前、何を思い浮かべますか?
カブトムシの名前?
ギリシャ神話の神々?
ヘラクレスオオカブトムシは、世界最大 のカブトムシです。
アトラスオオカブトも、それに次ぐ、大きさを誇っています。
実は、このカブトムシの名前は、ギリシャ神話の神々からきています。
このヘラクレスとアトラスのエピソードが、おもしろいんです。
今回は、そんな、ヘラクレスとアトラスについて、お届けしたいと思います。
尚、シリーズでお届けしている「ギリシャ神話」の第7回になります。
大カブトムシ
ギリシャ神話の話に入る前に、ヘラクレスとアトラスの名前がついたカブトムシが、どれくらいの大きさなのか見てみましょう。
やはり大きいですね!
特に、手足の長さが違いすね。
カブトムしは、「昆虫の王者」と言われていますが、 どうやって、相手を倒すかご存知ですか?
小さい角と、大きな角の間に、相手を挟みこんで持ち上げ放り投げるんです。
完全な力技です(笑)
「力持ち」のシンボルとも言える、この二人の神様の名前がついたのも納得ですね。
実際、どんな感じで挟み込むのか、対戦している動画がありましたので、ご紹介します。
対戦しているのは、ヘラクレスとアトラスです(笑)
httpss://youtu.be/OPiP7D8qWa0
ヘラクレスの圧勝ですね・・・
ちなみに、ギリシャ神話のヘラクレスとアトラスは戦いません(笑)
さて、それでは、ギリシャ神話の話に入っていきましょう。
ギリシャ神話の神々
ヘラクレスとアトラス の話をする前に、まず、ギリシャ神の神々について、少しお話しますね。
これを知らないと、ヘラクレスとアトラスが体面した時、
アトラスが、していることが意味不明です(笑)
ギリシャ神は、二つの神族に分けることができます。
- オリンポス神
- タイタン神
この、オリンポス神というのは、ゼウスを中心とした神様たちで、オリンポス山に宮殿があります。
タイタン神(または、ティターン神)は、ゼウスの父親のクロノスを中心とした神々で、オトリュス山を拠点としていました。
実は、ゼウスを中心とするオリンポス神と、父親のクロノスを中心とするタイタン神が、覇権を争って、10年にも及ぶ戦いをしています。
結果は、ゼウス達オリンポス神が勝ち、クロノスは地底深くに幽閉されることになります。
ヘラクレス と アトラス
アトラスは、タイタン神です。
つまり、ゼウス達と戦い、敗れた側の神です。
ゼウスは、アトラスにも罰を、あたえます。
タイタン神族の中でも、最も力のあるアトラスは、世界の西の果てに行って、天体が落ちてこないように支える役目を言い渡されます。
こんな感じです(笑)
一方、ヘラクレスは、その戦いの後に、ゼウスと人間の間に産まれた子で、半神半人(デミゴット)と呼ばれます。
つまり、生きている間は、神ではなく人間として扱われています。
死後に、ゼウス達によりオリンポス神に、迎え入れられました。
それでは、そんな二人が、出会うシーンを見てみましょう。
ヘラクレス と アトラスの出会い
ヘラクレスが12の功業の一つ「黄金のリンゴ」をとってくるように言われ、西の果てにやってきました。
黄金のリンゴの樹を守るのは、ヘスペリデスというアトラスの娘たちで、ラドンという怪物を従えています。
ラドンは、ヒドラの弟にあたる怪物で、ヘビの様な姿をしています。
実は、ヘラクレスは、ヒドラと戦って倒しているのですが、これが、かなりの強敵でした。
今回も戦うとなると、簡単には済みそうにありません。
さて、どうしようか・・・
すぐそばに天空を支えている、アトラスがいることに気がつきました。
リンゴの樹の番人ヘスペリデスは、アトラスの娘たちです。
ヘラクレスは思いつきました。
「自分の代わりに、アトラスに取ってきてもらおう!」
すぐさまアトラスのもとへ行き、頼んでみます。
アトラスは、代わりに天空を持っててくれるならと、喜んで頼みを受けます。
アトラスから渡された天空は、ヘラクレスにとっても重いものでした。
「さすがに、重いですね、どうか急いでお願いします」
アトラスは、分かったといって、すぐに、金のリンゴを取りに行きます。
ヘスペリデスもラドンも、相手がアトラスでは、ただ見守るだけです。
こうして、あっさりとアトラスは金のリンゴを取ってくると、ヘラクレスのもとに戻ってきました。
アトラスは、ふと思います。
これは、天空を持つことから解放され、自由になれる千載一遇のチャンスじゃないのか?
ヘラクレスにこう告げます。
「 この、金のリンゴは、俺が代わりに届けてやるよ 」
ヘラクレスは、アトラスがこう言ってくる事を計算済みでした。
「 アトラスさん、本当ですか? そうしてもらえると助かります 」
笑顔でこう答えると、少し困った顔をして・・・
「アトラスさんが、金のリンゴを取ってくる、ちょっとの間だけだと思って不用意に担いでしまいました。 しっかり、支えるために、持ち直したいんで、ちょっと支えてもらっていいですか?」
アトラスは、ヘラクレスが、あっさり受け入れたのでウキウキです。
「おーっ、いいとも、こうかい」
ヘラクレスはそのまま、アトラスに天空を預けてしまい、
金のリンゴを持ってさっさと、その場を立ち去ってしまいました・・・・・
ギリシャ神話には、いろいろエピソードがありますが、個人的には、この話が一番好きです(笑)
ヘラクレスとアトラスという、オリンポスとタイタンを代表する、最強の二人を出しておいて、
力勝負とかいう話ではなく、心理戦ですからね(笑)
それにしても、ヘラクレス12の功罪の中で、一番、楽に終わらせたのがコレです。
ラドンとの戦いも回避してますからね。
かの、孫子も言っていますよね
「戦わずして勝つことが、最善の策である」 ・・・と(笑)
オリンポス を由来とするもの
オリンパス株式会社(OKYMPUS)の名前は、そのままですね。
ちなみに、創業当時の名前は、高千穂製作所だそうです。
オリンポス山 ⇒ ギリシャオリンポス12神の住む場所
高千穂山 ⇒ 神様が日本に最初に降り立った場所
創業者は神話が好きなんでしょうか?(笑)
タイタン を由来とするもの
タイタン ‐ 土星の6番目の衛星
地球に良く似ていると言われている。
タイタニック号(客船)
映画でも有名な、1912年に沈没した豪華客船
アトラス を由来とするもの
地名・地図
ギリシャから見て西の果てにあるのが、大西洋(アトランティック・オーシャン)
このアトランティックという名前は、アトラスから来ています。
また、アフリカ大陸の北(ちょうとヨーロッパの西端の近く)にある山脈は、アトラス山脈と呼ばれ、 アトラスが立って天体を支えている場所と言われています。
こういったことから、アトラスは、「地図」の象徴の様な存在になります。
地図帳のことをアトラスと呼びます。
(世界で最初に地球儀を作成した王の名前が、アトラスだったことによるという説もあります)
ヘラクレス
ヘラクレスについては、こちらの記事をご覧下さい。
⇒ ヘラクレス!ギリシャ神話最強の英雄!12の功業って?
ギリシャ神話シリーズの目次へ
これ以外にも、まだまだ色んなエピソードなどを紹介しています。
よかったら、ご覧下さい。
ギリシャ神話シリーズの目次はこちらより
⇒ ギリシャ神話シリーズの目次
あとがき
カブトムシでは、ヘラクレスの方がアトラスより体が大きいですね。
しかし、ギリシャ神話の世界ではアトラスの方が大きいです。
力は、どちらが強いのか?
これは議論が分かれるところですが、やはりヘラクレスなんでしょうかね。
ヘラクレスは、ギガンティスという巨大な怪物がが暴れた時、オリンポス神から助けを求められています。
オリンポス神が、総がかりで戦っても、勝てなかった相手に、勝ってしまうんだから
その力は尋常じゃないですよね。
そりゃ、人間から神様へ昇格するわけですよね(笑)
ただ、ヘラクレスがすごいのは、力だけじゃなくて、知恵も持ってるところですね。
今回のエピソードは、そんなことを一番よくあらわしている気がします。
アトラスに知恵があれば、あるいはタイタン神が勝っていたかもしれません・・・(笑)
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