古事記(こじき)というと、どんなイメージをお持ちでしょうか?
なんだか歴史の授業で習ったけど、よく分からない・・・
少しかじったけど、あらすじすら難しくてよく分からない・・・
そもそも、古事記って何なの??
そんな声が聞こえてきそうです(笑)
とっつきにくい古事記
最初、古事記を読んだ時、たしかに とっつきにくかった ですね~(笑)
歴史はもともと好きなんですが、古事記ってイメージがわかないんですよね。
織田信長や豊臣秀吉、江戸時代や幕末などは、大河ドラマをはじめ各テレビ局が色々な時代劇を出すので、その信ぴょう性はともかくとして、それを元にイメージが出来ます。
ところが、古事記のドラマ なんて見たことがありませんから。衣装から何から世界観がほとんどイメージが出来ませんでした。
そんな状態で、大学教授や研究者の著書などを見ても、さっぱり頭に入ってこなかったです。
いや、それどころか、簡単な古事記の物語の本を買って読んでも、古事記のあらすじすら何だかよく分からず、つまらなく感じました(笑)
漫画(マンガ)のススメ
そんな古事記ですが、楽しめるきっかけとなったのが、実は漫画(マンガ)です。
最初に書店に行って買ったのが、石ノ森章太郎さんの本でした。 文庫本サイズで300ページ位なんですが、これが、もう~面白くて一気に読みましたね。
活字、文章からイメージ(想像)する必要がないので、マンガで描かれている見たままの姿、景色を感じるだけです。 見た事も無いものをイメージする必要が無いので、純粋に物語(ストーリー)に集中ができるんですね。
古事記は物語として、とにかく面白いので、イメージできない事で読まなくなってしまうのは実に勿体ない事です。
古事記初心者には、漫画(マンガ)がおススメ、そのわけ
初心者の方には、古事記を活字本ではなく漫画で見る事をおススメします。
その理由として以下の3点をあげます。
- その 時代の背景、設定 を理解出来る
- 古事記の 登場人物 が理解出来る
- 登場人物の 心の動き が理解出来る
もちろん、これ以外にもメリットはあるでしょうし、またいきなり漫画(マンガ)から入る事のデメリットもあるかと思います。 それでも、古事記初心者が、最初に漫画(マンガ)から入る事に関しては、ここに挙げたメリットが非常に大きいと思います。
① その時代の背景、設定
これは先にも述べたように、その時代の衣装だとかが分からなくても、絵で描かれているので理解ができます。
古事記は、特に最初の『天地創造」の部分は、神様がこの国を作った話なので、文章だけではイメージしづらいところがとても多いです。
「 天逆鉾(あめのぬぼこ)以て滄海(そうかい)を探る 」
イザナギとイザナミが、国造りのため、鉾(ほこ)を使って海をかき回すんですが、私にとっては、全くイメージできず何のことやらでした(笑)
建御雷神(タケミカヅチ)が、大国主神(オオクニヌシノミコト)の所に国譲りの交渉に来た時も、十掬の剣(とつかのつるぎ)を波の上に逆さに突き立てて、なんとその切っ先の上に胡坐(あぐら)をかいた とありますが、本当に言葉通りの意味なのか漫画で絵として見るまでは、どんな状態なのかイメージがわきませんでした。
また、須佐ノ男命(スサノオノミコト)の段では、八重垣(やえがき)という家の囲いが出てきますが、これも文章で説明されるより絵なら一目瞭然でした。
これらの例の様に、絵で見ることで文章からは想像しづらい事が簡単にイメージが出来て楽にその世界観に入っていく事ができます。
もちろん、それらの世界観はある部分では、漫画(マンガ)の作者の世界観ということになります。 どの作品であれ、作者の創造、解釈が必ず入ってきます、 特に漫画(マンガ)は読者の想像にゆだねることなく、直接絵としてイメージを与えてしまうので、作者のイメージがそのまま読者投げ込まれまる事になります。
それでも、まずは何もないより、ある一つのイメージをつけて、古事記という物語に集中した方がいいと思います。 私がそうでしたが、何もない状態で本を読んでも、余計なところで疑問がわいてストーリーが全く頭に入ってきません(笑)
② 古事記の登場人物
古事記を本で読んでいて、一番ツラかったのが実はこれなんです^^;
先の、建御雷神(タケミカヅチ)、大国主神(オオクニヌシノミコト)、須佐ノ男命(スサノオノミコト) といったように、現代には無い名前がたくさん出てきます。
長いのだと、正勝吾勝々速日天之忍穂耳命(マサカツアカツカチハヤヒアメノオシホミミノミコト) なんていうのもあります。
しかも、名前から男なのか女なのか、判断できないものも多いんです。
読み進めていくうちに、もう誰が誰なんだか訳が分からなくなります。海外の推理小説を読んでいて登場人物がよく分からなくなるという方は危険です(笑)
こんな複雑な登場人物でも、漫画(マンガ)だと、ちゃんと描きわけられているので、すんなり理解ができます。
③ 登場人物の心の動き
古事記は神話の要素が大きいので、やはり人間の人智を超えた神々の心の動きは推し量れないものがあると思います。
人間であれば、単純に嬉しいとか楽しいと思うところを、神々が同じような感情なのか?
古事記の現代語訳を読んでいて感じるのですが、神々や、人の心の動き、感情の流れが全く読み取れない 箇所が出て来る事があります。
これは、おそらく現代語訳の作者が意図的に、直接的な感情表現を避けたんだと思われます。
不思議感を出しているのか、あるいは解釈を押し付けずに、読者に委ねているんだと感じます。
これに対して、漫画(マンガ)は、オーバーな表現(アクションや表情)に象徴されるように、心の状態が表に表れるように描かなければ面白くありません。 従って、必ず感情の流れが分かるように喜怒哀楽がシンプルに描かれている事が多いです。
賛否両論あると思いますが、古事記は、まずは神々も含め単純な人間ドラマとして見たほうが入りやすいと感じています。
そういう意味で、漫画(マンガ)を使った表現はとてもシンプルで分かりやすいです。
まずは純粋にストーリーを楽しみ、後に古事記の色んな意味合いが分かると、逆にその深さに感動できると思います(私も、これからその深さを味わいたいと思っています)
古事記、漫画(マンガ)から入りその先へ
漫画(マンガ)をおススメしていますが、逆に古事記をあるひとつのマンガだけで終わらしてしまうのは、もったいないです。
出来れば、色んな方の文献を見ると、色んな解釈・説があって本当におもしろいです。
色んな解釈が出来る
それが、古事記をはじめ歴史の面白み、醍醐味 だと思います。
漫画(マンガ)で古事記を見た後、他の漫画や文献を見ることで、元のイメージが変わった点がいくつもありました。 中には180度変わったものや、二転三転したものもあります。
そうやって、自分なりの解釈が出来てきて、新たな古事記に対する自分なりの解釈が出来てくると、楽しいと思いませんか?
是非、皆さんも「古事記」楽しんでみてください。
おススメの古事記の漫画(マンガ)
古事記編さん1300年の2012年以降、色んな古事記関連の図書や漫画(マンガ)が出ました。
いくつか読み、面白いものも多いのですが、おススメは、断然これです。里中満智子さんの著書になります。
里中満智子さんの本は、本当に読み応えがあるし面白いので、古事記に限らずおススメします。
私が最初に読んだ里中さんのマンガは、「ギリシャ神話シリーズ」でした。
本当に面白く今でも大事な蔵書の一つです。ギリシャ神話も登場人物が複雑ですが、このシリーズのおかげでで大分整理がつきました。
その後も「旧約聖書」「天上の虹」など全て蔵書化しています。里中満智子先生用の本棚が必要かもしれません(笑)
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