因果応報 (いんがおうほう) 四字熟語ですね。
四字熟語って意味も含めて、学生の頃よく暗記させられましたよね?(笑)
「一期一会」「初志貫徹」「大器晩成」・・・などなど
その中でも、この「 因果応報 」ってなんだか、パッと意味が分からなくて覚えづらかった記憶があります。
仏教に関する言葉だということも、随分経ってから知りました。
さて、そんな「 因果応報 」ですが、実はこの言葉の意味、かな~り奥が深いです(笑)
ここでは、そんな因果応報の意味を、次の3つのステップに分けて、お伝えしたいと思います。
- 四字熟語試験問題レベル (問題に解答さえできればいい!)
- 日常生活レベル (生活の中での使い方を知りたい!)
- ウンチクレベル (語れるくらいに詳しく知りたい!)
自分が知りたいレベルまで、順に見てくださいね。
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STEP-1 「四字熟語試験問題」レベル
それでは、まずは学生が試験問題では、こう回答すればOKというレベルです。
因果応報の意味
良いことをすれば、必ず良い結果が生まれ、悪いことをすれば、必ず悪い結果が生まれる。
行いの善悪に応じて、必ずその報いがあるということ。
この言葉は、仏教の教えから来ている言葉です。
因果とは、「 原因 と 結果 」の事です。 原因の「 因 」に、結果の「 果 」を単純に組み合わせただけです。
応報とは、行いの「善悪に応じた報い」の事です。
文字・意味が 類似している四字熟語
- 因果関係 : 「原因 と 結果 」の関係 のことです
- 自業自得 : 自分の行いの報いを自分が受けること
STEP-2 「日常生活」レベル
「 因果応報 」の意味はSTEP-1で、分かりましたよね。
では、STEP-2では、「因果応報」が日常生活の中で、どういう使われ方をするのか見ていきましょう。
道徳 ・ 絵本
まず、子供向けの「絵本」
これは、因果応報だらけと言っていいです(笑)
例えば、「金のオノ、銀のオノ 」
正直に自分のオノを答えた男が、金のオノと銀のオノをもらえたのに対し、ウソをついた男は、何ももらえず、自分のオノすら失う という話。
正直に自分のオノを申し出た(原因)人には、良いことが起きる(結果)
逆に、ウソをついて金のオノをもらおうとした(原因)人には、悪い事が起きる(結果)
まさに、因果応報ですよね。
「こぶとりじいさん」「かさこじぞう」「うさぎとカメ」 ・・・などなど
正直者、努力した者が、最後には幸せになり、その逆のことをした人は不幸せになる。
こういうテーマ、絵本にはよくありますよね。
まさに絵本は因果応報の教科書のような感じです(笑)
絵本以外にも・・・
「 いい子でいれば、必ず神様が願いをかなえてくれるよ 」
「 悪い事をするとバチがあたりますよ 」
子供の頃に、親からよく言われませんでしたか?
お子さんに言っていませんか?
それから、学校教育において、子供が良い考えを持つように、そして正しい行いをするように、
道徳が教えらていますよね。模範生は表彰されたりもします。
道徳教育は、この因果応報という考えが、その中心にあるといってもよいかもしれません。
日常会話
さて、子供に関することばかりが続いてしまいましたが、因果応報、もちろん大人の世界にもあります。
会話や文章の中で、因果応報という言葉が、どんな使われ方をしているのか見てみましょう。
これは、テレビのドラマで使われた台詞です。
A 「 ●●さん、部下に裏切られたみたいだね 」
B 「 因果応報ってことさ・・・ 」
このドラマで、●●さんの役柄は、裏切りなど汚い手を使ってのしあがってきたやり手のビジネスン、 もちろん悪役です。
ここでは、人を裏切ってのしあがってきた(原因)、自分も裏切られた(結果)
たしかに、因果応報です。
実は、因果応報が会話の中で使われる時は、次の特徴があります。
良い事をして、良い結果が得られた時、「因果応報だね~!」なんて言っても伝わりません(笑)
「 因果応報 」という言葉を、悪い意味だと思っている人も多いのではないでしょうか?
実は・・・
因果という「原因と結果」を表す言葉も、会話の中で良い意味で使われていません。
「 因果な商売ですよ・・・ 」
「 因果なもんです・・・ 」
こんな感じの使われ方がします。
これ、明らかに「 報われてない」 場合ですよね(笑)
- 絵本には、因果応報を書いている物が多い
- 道徳教育に、因果応報の考え方が反映している
- 会話で使われる時は、悪い意味でのみ
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STEP-3 「ウンチク」レベル
さて、いよいよ最後のレベルです。
ここまで、読まれているということは、そんじょそこらの知識では飽き足らない方ですね(笑)
因果応報は、もともと仏教の言葉ですから、ここでは少し、仏教的な話となります。
といっても・・・
専門家ではありませんし、宗派によっても教義の違いがあるので、そのあたりはご容赦を(笑)
キーワード
因果応報の説明で必要となるキーワードがあります
- 業(カルマ)
- 輪廻転生(りんねてんせい)
この二つの言葉が、重要となります。
また、因果応報と共に、覚えておきたいのが次の二つです。
- 善因善果 (善因は善果を生む)
- 悪因悪果 (悪因は悪果を生む)
この善因善果と悪因悪果を、一つの言葉で説明したものが、因果応報です。
因果応報(仏教 と 道徳 の違い)
仏教での因果応報は、次の考えが大前提としてあります。
では、原因 とは何か?
それは「思うこと、考えること、行動すること」
この原因を仏教では、 業(カルマ) と言います。
この業(カルマ)が結果を作り出すのです。
業(カルマ)
ここが重要になるのですが・・・
この業(カルマ)は、ちょっとでも思っただけで、生まれてしまいます。
何か、ちょっと思ったり、考えただけで、業(カルマ)は出来てしまい、そして自動的に結果が生じる。
つまり、ちょっとでも悪いことを思うなら、業(カルマ)によって、悪い結果が生みだされる ということです。
そして、誰もこの業(カルマ)というもの、そして因果応報の法則からは逃れられない。
ちょっとコワいですよね・・・(笑)
「 道徳 」なんていうものは、はるかに超えた世界です。
業(カルマ)と共に重要なものが、もうひとつのキーワード 輪廻転生(りんねてんせい)です。
輪廻転生(りんねてんせい)
輪廻転生とは、肉体は滅んでも、魂は生き続け、やがて再生する、そしてそれが繰り返されるという考え方です。
魂は滅びないわけですから・・・
前世や過去世で生まれた業(カルマ)、現在「結果」として起きてくる
そういうケースがあるというんです。
それが、生まれついて持っている、その人の「運命」になります。
えー!?それじゃ、結局過去の業(カルマ)で、運命は決まってるってこと?
そういう悲鳴が聞こえてきそうです・・・
というか、私もこれを知った時、そう思いました(笑)
運命は絶対ではなくて、現在のその人の因果応報によって、変えられるそうです。
だからこそ、毎日、良い業(カルマ)が働くように精進しなさいということになります。
因果応報に関する 著名人
「稲盛 和夫」
京セラ、KDDI の創業者で、最近ではJAL再生で話題になった、カリスマ経営者です。
因果応報 や 利他 といった、仏教の思想を、そのまま社員の教育や、経営に用いていて、世界からも注目されています。
確かに、利益を追求する会社の経営で「利他(他人を利する)」ってスゴイですよね(笑)
「いい人なのに不幸だったり、良い事をしているのにまったく報われない人がいる。
因果応報の法則なんて成り立っていないのではないか?」
これに対して稲盛氏は次の様に考えている。
もともと、人間には運命による浮き沈みがある。
善因善果は、この運命の浮き沈みに作用するので、運命では沈み込みが大きく
本当はもっと悪かったのに、この程度で済んだということがある。
30年くらいの期間で見ると、悪は栄えないし、善行を積んでいる人は必ず幸せになっています。
因果応報の英語
what gose around comes around
Justin Timberlake(ジャスティン・ティンバーレイク)による、同名の曲がある。
- 善因善果、悪因悪果 = 因果応報
- 何かを思うと、必ず業(カルマ)が生まれる、業は結果を作る
- 輪廻転生により、過去世の業が、現在結果となってくる = 運命
- 運命も、因果応報によって変えられる
- 稲盛和夫氏は経営の中でも、因果応報の法則を説く
- 因果応報 英語では「what gose around comes around」
コメント
因果応報は『良いことをした結果には幸を、悪いことをした結果には禍がある』という意味だから、話し文句でも「良いことをした結果、幸福が訪れたんだよ」と言う意味で、「因果応報」と使っても何ら間違いではないと思うんだよなァ。
世間一般の常識が全て正しいとする思想こそ思想犯の思想そのものなんだよなァ。