ギリシャの三大悲劇詩人の一人、ソポクレスが書いた「オイディプス王」
ギリシャ神話がもとになっています。
そのオイディプスの話の中に、スフィンクス が登場してきます。
スフィンクスといえば・・・
あのエジプト、ギザのピラミッドの前にあるスフィンクスが有名ですよね。
意外にも、ギリシャ神話に登場していたんですね。
実は、ギリシャ神話のスフィンクスは謎めいていて、「謎かけをする怪物」なんです(笑)
さて、一体どんな「なぞなぞ」なのか?
今回は、 そんな謎の怪物スフィンクスに迫りたいと思います。
(ギリシャ神話シリーズの、第9回目です)
オイディプス VS スフィンクス
テーベ郊外のピキオン山にスフィンクスという怪物が住み着いていて、前を通る全員に「謎かけ」をして答えられない者を食べてしまうというのです。
ピキオン山は、テーベにとって、交通の要所で、そこを通れないことは、大変に不便でした。
オイディプスはこれを退治するために、スフィンクスのもとに向かいます。
これが、スフィンクスの出した質問です。
オイディプスは、これに即答します。
人間の人生を1日に例えると、朝は赤ちゃんで、四つんばいになってハイハイ歩きで4本、次に、昼は2本の足で歩けるようになった状態、そして、夕暮れは、老いて杖(つえ)が必要になった状態だから、3本足となる。
わざわざ、なぞなぞを答えさせるような、随分お茶目な怪物ですよね(笑)
この、なぞなぞと答え、子供の頃聞いたことありませんか?
結構、出回っているなぞなぞです(笑)
さて、オイディプスは食べられずに済むのですが、スフィンクスはどうしたかというと・・・
なんと、崖(がけ)から飛び降りて死んでしまいます。
なぞなぞを、あっさりと解かれたことでプライドが傷つき、その恥ずかしさに耐えられないというのが理由です。
ずいぶんナイーブな怪物ですね(笑)
さて、この、お茶目でナイーブな、スフィンクスについて、もう少し詳しく見ていきましょう。
スフィンクス
上記の絵はアングルという画家が描いたスフィンクスですが、エジプトのギザのスフィンクスと違って、随分小さくて、可愛らしいですよね。
別に、なぞなぞなんかに答えなくたって、やっつけられるんじゃないの??
っていうのは禁句なんでしょうね(笑)
ギリシャ神話のスフィンクスには、以下の特徴があります。
ライオンの胴に、上半身が人の女性、そして鷲の翼を持つという怪物
(翼を持たないというものもあるようです)
スフィンクス(sphinx)という名前には、「なぞの人(物)」という意味があります。
ギリシャ神話の怪物エキドナとオルトロスから生まれた怪物で、ヘラクレスの12の功業で出てきた、ネメアのライオンと、兄弟になります。
(たしかに、同じライオンですね)
ネメアのライオンとは違って、スフィンクスには不思議な知性がありました。
それが、謎かけをすることにつながっています。
エジプトのスフィンクスと、ギリシャのスフィンクス、一体どちらが最初かというと・・・
エジプトが先です。
スフィンクスの起源は、エジプトで、それがギリシャに伝わり怪物になっています。
そういえば、エジプトのスフィンクスって一体何物なんでしょうか?
それについて、少しだけ見てみましょう。
エジプトのスフィンクス
エジプトのスフィンクスは、古代ギリシャの歴史家ヘロドトスによると、多くの種類があったようです。
その一部が以下のものです。
- アンドロスフィンクス : 人間の男性の頭を持つライオン
- クリオスフィンクス : 羊の頭を持つライオン
- ヒエラコスフィンクス : 鷲の頭を持つライオン
ギザのスフィンクスは、男性の頭を持つ、アンドロスフィンクスになります。
ライオンは、王者の象徴でしたので、王の墓の守り神的な存在だったようです。
ギリシャに渡って怪物となったのは、エジプトの人達からはちょっと心外!?なのかもしれませんね(笑)
ギザのスフィンクスを鼻を壊したのはナポレオン!?
ギザのスフィンクスに鼻が無いのは、ナポレオン軍がエジプトに入った時に、大砲の標的にしたということが、いかにも本当のことの様に、まことしやかに言われています。
しかし、これは都市伝説、完全な俗説です。
エジプト遠征の時点で、既に鼻がない事が分かっています。
なぜ鼻が無いのか?という原因は実は分かっていません。
くさびを用いて崩された跡があるようなので、意図的に誰かが壊したようです。
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これ以外にも、まだまだ色んなエピソードなどを紹介しています。
よかったら、ご覧下さい。
ギリシャ神話シリーズの目次はこちらより
⇒ ギリシャ神話シリーズの目次
まとめ
スフィンクスの謎かけ
朝は4本足、昼は2本足、夕暮れには3本足で歩むものは、なんだ?
答え:人間
(朝:赤ちゃんでハイハイ、昼:二足歩行、夕:杖をつく)
スフィンクスの特徴
顔は人間、身体はライオン
もともとは、エジプトの王墓の守り神的な存在(ライオンは王家の象徴)
エジプトでは、顔が羊、鷲など数種類ある(ギザのピラミッドは男性の顔)
それが、ギリシャに伝わり変化する。
ギリシャ神話では、上半身が人間の女性で、鷲の翼を持つ
エキドナとオルトロスの子 ネメアのライオンの兄弟
不思議な知恵を持っている為、謎かけの怪物となる。
あとがき
ギリシャ神話の中で、このスフィンクスって変わり者ですよね。
ライオンの身体がありながら、全く使わずに、謎かけだけしかしない。
兄弟のネメアのライオンは、あのヘラクレスと3日間も戦っているので、スフィンクスも屈強の身体を持っていたんじゃないかと思うんですが・・・
モローもアングルの絵も、スフィンクスが小さいですね(笑)
エジプトのスフィンクスの大きさだと、スフィンクスとオイディプスの表情のどちらかしか映せないから、仕方なくこの大きさなんでしょうかね?
しかし、印象的な絵ですよね。一度見たら忘れませんね。
さすが、新古典主義の巨匠ですね。
コメント
このシリーズはこれでおしまい…ですかね?
続編がもしあれば、まだまだ読みたい内容でした!
ギリシャ神話って面白い。
コメントありがとうございます!
ギリシャ神話は本当に面白いんですよね〜
まだまだ、書いてみたい事、エピソードはあるんですが…
また、時間を作ってアップしていきたいとは思っています。