飛行機墜落事故!気をつけたい確率のワナ!?

最近、飛行機墜落のニュースが多いように思います。

こういうニュースを見ると、やはり飛行機に乗るのってちょっとコワいな~と
思ってしまいますよね。

電車や車は、何かあっても、とりあえず止まりさえすれば地上だから、何とかなりそう。
船は地上ではないけれども、ボートで逃げたり、浮き輪などで海に浮いてはいられる。

そこにくると、飛行機は・・・
空中に止まっていられないのが問題ですよね。


安全と確率

さて、いつもこういった飛行機の安全について問われる問題が出ると、必ず話題に
なるのが事故の「確率」

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こういった事を聞いたことはないでしょうか?
「飛行機事故に遭遇する確率は非常に少ない、実は電車や車より安全なんだよ」

では、飛行機の事故がどの位の確率なのか Wikipediaで調べてみました。

<引用:Wikipediaより>


アメリカ国家運輸安全委員会 (NTSB) の行った調査によると、航空機に乗って死亡事故に遭遇する確率は0.0009%であるという。アメリカ国内の航空会社だけを対象とした調査ではさらに低く0.000034%となる。

アメリカの国内線は、バスの様な感覚で大量に運航されているので日本だともう少し確率
は高いのかもしれませんが、あまり差はないでしょう。

いずれにしても確率からいけば、一生の間に乗る飛行機の回数では、まず事故に遭遇する事
は無いといえる数値ですよね。

さて、これに対して車での死亡事故の確率はアメリカ国内ですが0.03%ということなので
飛行機で死亡事故に遭遇する確率は、車のおよそ30分の1以下という事になります。

確かに車の事故は毎日の様に、テレビでも報道されているのに対し飛行機事故は全然少ない
ですよね。

但し、ここに確立の数値のワナがあります。
気をつけなければいけないのは、この確率はあくまで全ての飛行機を対象とした場合の確率
であって、切り取り方によっては変わるということです。


確率の落とし穴

どういうことか・・・簡単な例で説明したいと思います。
今仮に、以下の様に3社の飛行機があったとします。

A社 : 50機
B社 : 30機
C社 : 20機

この内、10機にタイヤがパンクするという不具合が生じました。
調査したところ、C社が採用しているタイヤに問題がある事がわかりました。

飛行機全体での タイヤがパンクする確率は以下の通りです。

◆飛行機全体数
50機 + 30機 + 20機 = 100機

◆事故の発生率 %
(事故を起こした機体数 ÷ 全体の機体数 × 100 )
10機 / 100機 × 100 = 10%

全体の100機のうち、10機に不具合が起きているので
確率10%です。

これに対して、原因が特定されているC社にのみで確率を出すと

◆C社の飛行機数
20機

◆事故の発生率 %
(事故を起こした機体数 ÷ C社の機体数 × 100 )
10機 / 20機 × 100 = 50%

C社の20機のうち、半分の10機に不具合が起きているので
確率50%になります。

10% と 50%
分母に何の数値を入れるかによって、こんなにも差が出てしまうんです。

この例でいけば、原因がC社のタイヤにあるので、残りの10機についても同様の不具合
が発生する確率は非常に高いといえます。

これを、飛行機全体の数値にあてはめて10%しか不具合が起きないといういうのは、
とてもナンセンスな事だという事が分かるかと思います。

自分の身を守るためには、C社以外の飛行機を選択するのが懸命という事ですし、
C社は早急に原因に対する対策をとらなければならないでしょう。


確率を語る上で最も大事な事

つまり、統計で出てくる確率の数値で一番大事なのは・・・

『 原因 』が何か?

ということです。

事故が起きた場合に、必ず事故調査が行われ以下の事を特定します。


  1. 原因が何か?
  2. 原因に対する対策(再発防止)は?

事故の原因を正しく把握し対策をとらないと同じ事故を繰り返してしまうということになります。

それをきちんと押さえておかないと、的外れな数字に無意味に踊らされてしまいます。

原因を踏まえた上での数値、統計を見る上ではこれがとても重要になります。

確率の数値は生活の色んなところにあふれていて、よくニュースなどでも取り上げられています。

正しく、数値を理解をして意味の無い「安心」や「不安」をせずに生活をしていきたいものですよね。

確率・統計が分かると、ものの見方が変わります。

確率・統計、読みやすくておもしろい本がいっぱいあるので、本屋さんに行った時にでも見てみてください。

  

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