今日は、「 天皇 」について書いてみたいと思います。
以前、仕事で関係先の外国の方との会食中、日本の天皇に関する話題となったことがあります。
その中で、天皇の 名前 、〇〇天皇の〇〇が何か?について聞かれました。
その場は、「 ヘイセイ エンペラー(Heisei Emperor) 」 と答えたのですが、答えておきながら平成天皇という言葉(フレーズ)に、なんだか違和感を感じ、帰ってから調べてみました。
平成天皇 は存在しない!?
調べてみて平成天皇という呼び名は、存在せず間違いいだと分かりました。
では、今の天皇はどのように呼ばれているかというと・・・
それは、「 今上天皇(きんじょうてんのう) 」 です。
「 明治天皇 」「 大正天皇 」「 昭和天皇 」の様に、明治天皇以降の天皇には「元号」が、そのまま天皇の名前となっているので、同じように平成天皇と呼ぶのかと思っていましたが、そうではないんですね。
いつの時代でも今上天皇
この「 今上天皇 」という呼称は、在位中の天皇の事を指します。
つまり大正天皇も、昭和天皇も、在位していた時は、同じように今上天皇と呼ばれていました。
頭に元号がつく、明治・大正・昭和天皇という名前は、天皇が崩御された後につく名前なんだそうです。
たしかに、もう今上天皇ではないので、何か別の名前が必要だということですね。
一般人にはあり得ない事なので、とても特殊で分かり難いですね。
いつの時代においても、今の天皇は?という質問に対しての答えは「今上天皇」となります。
そういう意味では、非常にシンプルですね。
実際に天皇は何と呼ばれているのか?
文献などの書面では「今上天皇」と表記されるのでしょうが、
それでは、実際の呼称(呼び名)は、どうなのでしょうか?
皇室典範(こうしつてんぱん)という、皇室に関する制度が載っている法律に定義がされていました。
これよると、次のように規定がされています。
現皇室典範 第二十三条:天皇、皇后、太皇太后及び皇太后の敬称は陛下とする。
前項の皇族以外の皇族の敬称は殿下とする。
呼び方は「 陛下 」なんですね。
確かに、歴史ドラマなどを見ても「天皇陛下」や「陛下」と呼んでいるシーンをよく見ますよね。
ちなみに皇后の美智子さまは、「今上陛下」と公の場では呼んでいるようです。
「天皇陛下」や「今上陛下」は呼び名として許されるんですが、全部をつなげた「今上天皇陛下」という呼び方は無いんだとか・・・ややこしいですね (笑)
天皇の本名? 諱(いみな)
さて天皇には、「今上」 以外にも名前があります。
それが、「 諱(いみな)」という種類の名前です。
<歴代天皇 – 諱(いみな)、幼少時の称号 及び 印 一覧>
この表にあるとおり、今上天皇の 諱(いみな)は「 明仁(あきひと) 」で、これが本名にあたります。
それにしても、本名とは言わず、なぜ 諱(いみな)という変わった呼び方なのでしょうか?
それに、天皇には名字(姓)は無いのでしょうか?
諱(いみな)については、現代の我々には分かり難いのですが、古来、朝廷にいるような貴人といわれる方々は 本名を直接口に出すということを、とても忌み嫌っていたようです。
諱(いみな)の語源が、この忌むという「忌み名」から生まれています。
口に出す言葉には霊気がやどるという、言霊(ことだま)の思想によるものです。
本名には特別な力があるため、その名を口にすることが避けられてきた文化があるんですね。
その事がよく分かる例として、紫式部の「 源氏物語 」があります。
明石にいたから「明石君」と名前が付いた様に、「光源氏」を始め「 藤壺 」「紫上」「葵上」といった登場人物の名前は全て本名ではありません。 それらは、愛称の様なものです。
天皇に名字(姓)は無いのか?
天皇だけでなく皇族には、「 名字(姓) 」はありません。
一般の戸籍法の適用はできません(笑)
というより、一般人に向けた法律は、皇室には当てはまらないことが、かなりあるということでしょう。
「日本の象徴 」としての天皇の存在、 この事は日本国憲法第一条に定義されているので、象徴の維持・存続のため、皇室は皇室典範の様な日本の伝統も盛り込んだ特別な法律の下に、生活をしているということになるんだと思います。
皇室にまつわる疑問や謎などは、まだまだありますので、またお伝えしたいと思います。
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