土用の丑の日 といえば うなぎ ですよね。
有名な うなぎ屋さんの前には、長い行列、スーパーでも、売り切れになりますよね。
最近は、稚魚不足で、値段がかなり高くなっていますが、
それでも夏の風物詩
やはり、土用の丑の日くらい、うなぎで・・・って思っちゃいます。
それにしても、 土用 の 丑 の日って、
よく分からない日ですよね。
子供の頃、「”土曜” の ”牛” の日」だと思っていました
土曜日でもないし・・・ 牛肉でもないし・・・ (笑)
さて、そんな「土用の丑の日」と「うなぎ」のなぜ?について、3つのポイントで
お伝えしたいと思います。
3つの「なぜ?」ポイント
- うなぎの 時期の なぜ?
- 土用の丑の日の なぜ?
- うなぎの栄養の なぜ?
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【ポイント1】 うなぎの 時期 の なぜ??
うなぎは、いつから食べられているのか?
うなぎは、なんと、新石器時代には、食べられているということが分かっています。
今の様に開いた「かば焼き」スタイルが生まれたのは
室町時代から江戸時代初期の間
といわれています。
しかし、驚いたのは・・・
実は「うなぎのかば焼き」 日本が元祖ではありません。
古代ギリシャ や ローマでも、うなぎはよく食べられていました。
ローマ帝国の記録に
うなぎを背開きにしたものに、魚醤 とはちみつを混ぜたタレをつけて焼いて食べた
という記録が残っています。
甘辛いタレまで・・・まさに、日本の「うなぎ」の蒲焼きですよね(笑)
ひょっとしたら、「かば焼き」というレシピは、天ぷら同様、ルーツは
ヨーロッパなのかもしれませんね。
うなぎの旬はいつ?
うなぎを食べに行ったとき、鰻屋の主人に質問されました。
「 うなぎの旬っていつかご存知ですか?」
そりゃ、夏の食材なんだから当然 7月~8月頃でしょ と答えると
鰻屋の主人、ニコニコしながら
「 うなぎの旬は、秋から冬(10月~11月)にかけてです 」
えーー?? と驚きはしたものの
でも、それは天然のうなぎの話しであって、いまこうやって食べてるうなぎって、
ほとんどは養殖で温度管理されている水槽で育つんだから、旬なんて無いんじゃ?
「 いえ、養殖でも、やっぱり10月~11月なんですよ 」
サラッと答えたのには、理由がありました。
その鰻屋さんは、うなぎの卸しが経営しているお店で、自分で養鰻(ようまん)場を
持っています。
養殖でも10~11月が一番サイズ的にも、脂ものっていて美味しいんだそうです。
「 是非、10月になったら、また来てください 」
と、その場を後にしましたが・・・・ 頭の中が「WHY ?」 でいっぱい(笑)
夏の土用の丑の日にうなぎを食べるのはなぜ??
そもそも、「土用の丑の日」って、どういう日なの??
調べまくりました(笑)
さあ、なぞの「土用の丑の日」について、見ていきましょう。
【ポイント2】 土用の丑の日 のなぜ??
土用の丑の日というのは、「土用」の日 と 「丑」 の日が、重なった日です。
それぞれについて、説明していきましょう。
土用
これは、五行説 (ごぎょうせつ)という、古代中国の思想・哲学からきています。
この五行説では、全てのものが
「木」 「火」 「土」 「金」 「水」
この五つから、成り立っていると考えています。
季節に関しては次の様に考えられています。
- 木 → 春
- 火 → 夏
- 金 → 秋
- 水 → 冬
- 土 → 季節の変わり目
五行説における「季節」
季節の変わり目というのは、立春、立夏、立秋、立冬 の前の「18日間」をさします。
この18日間を「土用」と呼び、年に4回あります。
土用は、季節の変わり目で体調をくずしやすいといわれています。
うなぎの日の土用は、正確には 「夏の土用」で、立夏の前の18日間 をさします。
丑(うし)の日
さて、もう一つが丑の日 、干支(えと)にちなんだ日です。
干支は、十干(じっかん)の10個と、十二支(じゅうにし)の12個を順に組み合わせた
60個があります、これが順に、毎日割り当てられています。
十干との組み合わせはどうあれ、12日ごとに丑の日が来ます。
干支(えと)
ここでは、干支(えと)についての説明は省きました。
干支について書いた別の記事があります。
よければ、そちらを参照して下さい。
こちらから ⇒ 干支 と 十二支 との違い! 自分の「えと」 知っていますか?
昔は、十二支は、方角をあらわすのにも使われていました。
丑は、北北東から北東にかけての方角を差しますが、ここは鬼門にあたる場所です。
これにより、昔は、丑の日は、体調をくずしやすいと信じられていました。
土用の丑の日
五行説、及び 干支(えと)の思想でいくと、共に体調を崩しやすい「土用」と「丑の日」
これが、重なった 「土用の丑の日 」 しかも、夏の前、かなり体調を崩しやすい日と
考えられていたのではないでしょうか。
立夏の前の18日間に、訪れる 丑の日(12日周期)が、「夏の土用の丑の日」です。
うなぎのセール(土用の丑の日)が2日間ある??
もうすでに、気づかれたかもしれませんが・・・
「 夏の土用18日の間に、 丑の日が12日ごとに来る」 ので、年によって1日の年と、2日の年があります。
2日ある年は、鰻屋さんや、スーパーにとっては、ウレシイ年なんでしょうね(笑)
土用の丑の日が、どういう日かはわかりましたが・・・
うなぎとの関係が、見えませんよね?
うなぎの旬でもない夏の土用の丑の日に、なぜ??うなぎを食べるのか?
早速見ていきましょう
土用の丑の日に「うなぎ」を食べるのはなぜ??
土用の丑の日にうなぎを食べる 由来については、いくつかの説があります。
その中でも、最も有力な説がこれです。
平賀源内プロデュース説
江戸時代中頃・・・
ある鰻屋の主人が、うなぎの旬を外している夏になると、売上げがおちるため、
なんとかこの時期に売れないのかと、平賀源内に相談したところ・・・
「本日 土用の丑の日」
という看板を作って、店先に出した。
これが、繁盛のきっかけとなり、それが、うわさとなり、他の鰻屋にも広まっていった。
すごいですね、看板一つで繁盛させてしまったんですね(笑)
この平賀源内という人は、ご存知の方もいると思いますが
江戸中期に活躍した人です。
歴史の教科書では、エレキテルを再現した、ということで有名ですが、実は、蘭学者、医者、事業家、浄瑠璃作家(脚本家)、画家、発明家などなど・・・
多方面に、才能を持っている人だったんです。
プロデューサーとしての能力 もあったということですね。
土用の丑の日という、体調を意識させるような日に、鰻屋の店先に、こんな看板があれば
「 おっ、ちょっと食べておこうかな・・・・ 」
という気になるんでしょうね(笑)
鰻屋の売込み目的で、広まった 土用の丑の日の「うなぎ」です。
夏バテ解消とかいうのは、ひょっとして・・・ ウソ!?
不安になりますよね?(笑)
うなぎに一体、どんな栄養成分があるのか? 夏バテにいいのか?
次は、栄養について見てみましょう。
【ポイント3】 うなぎの栄養 の なぜ??
うなぎ(鰻)の栄養成分
うなぎ蒲焼 一串 = 80g(標準サイズ) で計算しています。
また、タレをつけた「かば焼き」と「白焼き」の二つの栄養素について記載しています。
比較のため、カロリーメイト缶(1/2缶=100ml)の栄養素について併記しています。
夏バテに効果のある栄養素
この中で、夏バテに効果があるとされる栄養成分を一番下の赤線で囲ったものです。
特に、ビタミンB1が夏バテに最も効果のある栄養素 といわれています。
どの位、摂取すればいいのか?
厚生労働省が提示している「1日の摂取推奨量」を下記に記します。
- マグネシウム
360 mg 290 mg - ビタミン B1
1.4 mg 1.1 mg - ビタミン B2
1.6 mg 1.2 mg - ビタミン B6
1.4 mg 1.2 mg - ビタミン C
100 mg 100 mg
青が成人男性 赤が成人女性
ビタミンCは、残念ながら「うなぎ」からは摂れません。
しかし、それ以外のものは、いい感じです。
「ビタミンB1」にいたって は、1日の摂取推奨量の約半分が摂れてしまうので、
これは、間違いなく夏バテに効果があるといえます。
栄養成分の知識はともかく、夏バテに効果があるということは、平安時代の頃には
知られていたようです。
万葉集に、夏痩せには、うなぎがよいらしい・・・ といった歌が残されています。
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まとめ
今回のテーマについて、3つのポイントを簡単にまとめました。
- うなぎは、新石器時代から食べられている
- 蒲焼きは、室町から江戸初期の間に生まれた
- ローマ帝国に「うなぎの蒲焼」があった
- うなぎの旬は、天然・養殖ともに秋(10-11月)
土用の丑の日について
- 正確には、「 夏の土用の丑の日 」がうなぎの日
- 土用(立夏の前18日間)と 丑の日(12日周期)なので、年によって1日又は 2日
- 体調を崩しやすい (土用も丑の日も、共に体調をくずしやすいといわれている)
- 平賀源内が鰻屋に相談され、決めたという説が有力
うなぎの栄養について
- ビタミンB1、 B6 が豊富、夏バテに効果あり
あとがき
最近、うなぎの稚魚を、人工的に「ふ化」させることに成功して
商業化の一歩手前まできたとニュースになっていました。
もしも、これがうまくいって、しかもコストが下げられれば、
うなぎの値段の高騰に歯止めがききそうです。
また、本当に年中いつでも旬にできるのかもしれません。
天然のうなぎは、3年間くらいかけて体を大きく成長させるのが
養殖の場合は8ヶ月~10ヶ月程度だそうです。
養殖の技術って、すごいですよね。
結構、好きだった鰻の名店が閉店しているんですよね・・・・
人口ふ化、そして、養殖の技術に期待したいですよね。
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