ドラッグストアや、スーパーの 健康食品やサプリメント のコーナーで
次の名前をよくみかけませんか?
「 酵素(こうそ) 」 「 酵母(こうぼ) 」
テレビなどでも、いろんな番組が「健康にもいい」「美肌にもいい」「ダイエット効果もある」 と
盛んにとりあげていますよね。
そのせいか、これらの名前が付いた商品は何でも 「 身体にいい 」「美容にいい 」 と思ってしまいます(笑)
でも、「酵素」「酵母」 とは、いったい・・・
「 どういうものなの?」
「似てるけど 何が違うの?」
あらためて聞かれると、うまくは答えられなかったりしますよね?(笑)
よく聞くけど、何が違うのかよくわからない。
そんな「酵素」「酵母」とについてまとめてみました。
また、この2つに深く関係のある「発酵(はっこう)」についても、まとめています。
一度、きちんと整理して、これらの食品やサプリを、正しく利用していきましょう。
といっても・・・生化学の授業ではありませんので、なるべく小難しい話は抜きにします(笑)
食品、身体に関わる話しとして、気楽に見てくださいね。
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「酵素」と 「酵母」 の共通点
違いの前に、まず、これらの 「共通点 」から見てみましょう。
これらの文字(漢字)をよ~く見てみてください、共通点があるんです。
- 酵素(こうそ)
- 酵母(こうぼ)
分かりましたよね(笑)
そうです、 両方共 「酵(こう)」という字が使われています。
この「酵(こう)」という字、一体どういう意味があるのか調べてみました。
旺文社「国語辞典」より
「酵(コウ)」
① 酒ができるときにわきたつ。「発酵」
② 酒のもと。「酵母・酵素」
なんと、酵素、酵母 両方共出てきます、正直、驚きました(笑)
さらに、発酵 も出てきますね。
「酵」という字は、「日本酒造り」「発酵」と、とても関係の深いということが分かりました。
それでは、「日本酒造り」について、簡単に説明します。
日本酒は、糖化 と 発酵 で作られている
糖化
お米に麹菌をつけて、糖化酵素により、お米のデンプンをブドウ糖に分解する
発酵
糖化したものに、酵母 をつけて、糖分をアルコールにする
日本酒の造り方については、別の投稿で、詳しく説明しています
⇒ 甘酒(あまざけ) 米麹 と 酒粕 世界が驚く食文化!
酵素や酵母という「 もの 」を使って、発酵・糖化といった「 変化 」を起こしているということですね。
では、酵素や酵母が、どういう 「 もの 」なのか?
発酵もあわせて、個々に詳しく見ていきましょう。
酵素(こうそ)とは?
酵素は、たんぱく質からなる高分子化合物のことで、食べ物 の 消化・吸収・輸送・代謝・排出 の全てにおいて触媒として作用する
なにやら、難しい言葉が・・・
難しい話は抜きですので、ここではもっと簡単に説明します(笑)
まず、最初に理解をしておきたいのは、次のことです。
酵素 は、体内で作られているタンパク質で出来た分子で
人間のあらゆる活動に必要
酵素は、皆さんや私の身体の中にあるものです。
人間の体の中に数万種類あるとされていて、
現在、確認されているものだけでも、4,000種以上あります。
体内の酵素は大別すると、次の2種類に分けられます。
- 消化酵素 : 食べた物(栄養素)を、身体が吸収できるように消化するのに必要
- 代謝酵素 : 栄養素をエネルギーに変え、呼吸や肌の新陳代謝など、あらゆる活動に必要
栄養(食物)を 「車 」に例えるなら、酵素は「 運転手 」です。
車だけあっても、運転手がいなければ、意味がありませんよね?(笑)
つまり、 「栄養素」だけあっても、消化酵素が無ければ、栄養を摂る事(消化)はできませんし、代謝酵素が無ければエネルギーにして、身体のあらゆる活動を行うことが出来ません。
栄養素は一つではありませんので、複数の栄養素に対して、酵素が存在しています。
先の、車の例えで説明すると・・・
「 車 」以外にも、バイク、船、飛行機 といった乗り物があり、それぞれに運転手が必要ということです。
人間の運転手の場合には、車も、バイクも、飛行機も、全て運転できるという人が、いますが 酵素の場合は、それができません。
車なら車だけ、といった「超~頑固(がんこ)職人」です(笑)
その為、酵素には多くの種類があります。
消化酵素の種類と、その代表的なものを、以下に挙げます。
- 炭水化物分解酵素
- 唾液アミラーゼ
- マルターゼ
- タンパク質分解酵素
- ヘプシン
- トリプシン
- アミノぺプチターゼ
- 脂肪分解酵素
- 膵リパーゼ
この中で、「唾液アミラーゼ」というのは、聞いたことがありませんか?
ごはんをよく噛むと、唾液に含まれているアミラーゼという消化酵素がでんぷんを麦芽糖に分解します。
「ごはんをよく噛むと、甘くなる」ってよく言いますよね、本当なんです(笑)
以上が、酵素でした。
実は、酵素が一番、この中では難しく、あとの酵母と発酵は簡単です(笑)
サラッといきましょう~
酵母(こうぼ)とは?
酵母は「 菌 」 です。
日本酒造りの話でも出てきたとおり、 糖分をアルコールにします(発酵)
発酵(はっこう)とは?
発酵は、酵母菌や乳酸菌などの菌が、糖分をアルコールや二酸化炭素などに分解 することを言います。
日本酒の発酵は、酵母がお米の糖分を、アルコールに分解
パンの発酵は、イースト菌が砂糖を二酸化炭素とエタノールに分解
※パン作りには、いくつかの手法がありますが、ここではイースト菌発酵促進のために砂糖を入れる手法の場合です
酵素・酵母 そして発酵 食品が 身体に良いわけとは?
さて、酵素・酵母・発酵については、どういうものか分かったかと思います。
でも・・・・
「 酵素や酵母が入った食品、発酵した食品が、なぜ身体や美容に良いのか? 」
それについては、まだ 「 ? 」 のままですよね(笑)
酵素や酵母、そして発酵食品などが、身体に良いのは次の点です
食品の消化の補助(事前消化)
酵素や酵母などが、食品を事前に分解してくれるので、消化吸収がしやすい状態となっています。
腸内環境が良くなる
ヨーグルトなどの乳酸菌発酵食品を摂ることで、腸内に乳酸菌(善玉菌)が増える
健康食品、サプリメントにおいて 「身体に必要な酵素を、外から補いましょう 」 とうたっているものがあります。
例えば、代謝酵素がいっぱい入った食物酵素をとり入れる事で、肌の新陳代謝が促進され、お肌がキレイになります。
といったことを売り文句にしているものです。
こういったものには注意してくださいね。
ほとんどの酵素は、胃酸などにより不活性となってしまいますし、酵素をそのまま体内酵素して取り入れる事はできません。
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まとめ
酵素や酵母、発酵食品は・・・・結局
「 消化吸収を良くする 」
これにつきます。
ヨーグルトなどの乳酸菌発酵食品を摂って、腸内環境を整えることも、「 消化吸収を良くする 」事です。
消化吸収が良くなれば、体に栄養が行き渡ります。
当然、体内酵素(消化酵素、代謝酵素)も活発になります。
こういう、良いサイクルを作ることが、「健康」にも「美容」にも、最も大事なことです。
是非、こういった事を意識して、生活していきましょう。
最後に、今回のテーマをダイジェストでまとめました。
- タンパク質 からできていて、生体の維持活動 に必要な分子
- 消化酵素 と 代謝酵素があり、食物から酵素を、直接摂りいれる事はできない
- 栄養素をいくらとっても、消化酵素が無ければ、身体に摂りこめない 、また代謝酵素が無ければ、身体活動が行うエネルギーが作れない
- 菌 の一種( 発酵を起こす )
- 糖分をアルコールや、二酸化炭素 等に分解(発酵)する
- 糖分 がアルコールや、二酸化炭素 等に 分解 されること
- 酵母菌や乳酸菌により発酵が起こる
- 酵母菌・乳酸菌により発酵した食品は、事前消化 により、体内で 消化吸収されやすい
- 消化酵素 を食品と一緒に摂る事で、消化の補助となる
- 発酵食品( 乳酸菌 )が、腸内環境 を整える
あとがき
酵素、今すごい話題ですよね。
栄養学でも、酵素栄養学というのがあり、研究がどんどん進んでいる分野です。
これからも、どんどん新たな酵素が確認されていくことでしょう。
ただ、こういう最先端のものってイメージだけで商品化されるものがあるので要注意ですよね~^^;
「なんか、良さそう」というイメージだけで、ちゃんと調べると「ムムム・・・」という感じの商品もあるのが事実です。
そういえば、今回は食品をテーマに書いたので、酵素も体内酵素をベースの話題でした。
でも、酵素には消化酵素や代謝酵素の様な体内酵素以外にも、「酵素パワー」をうたった洗剤や
化粧品なんかにも使われたりしていますよね。
酵素は、色々活躍しているんですよね。
まだまだ、ぜんぜん書き足りません(笑)
また、近いうちに、別の視点で投稿するかもしれません。
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