「 珈琲(コーヒー)」 誰が作ったか知りませんが、この漢字 とても好きです。
単なる発音からの当て字なんでしょうが
この二文字と、苦味があって香り高いコーヒーが
すごくマッチしている感じがするんですよね。
昔、都内の由緒ある純喫茶でアルバイトをしていた事があり、
そこのマスターにコーヒーに関する色んな事を教わりました。
珈琲(コーヒー)にまつわる誤解やミニ知識 などを、色々と書いてみたいと思います。
純喫茶って何?
「 純喫茶 」最近はめっきり減ってしまいました。
それだけ、歴史ある名店がどんどん閉店している、
という悲しい現実なんでしょうか・・・
さて、私がバイトをしていた 純喫茶ですが、
一般の喫茶店 と何が違うかご存知ですか?
ある条件を満たしていないと、純喫茶とは呼べないんです。
この質問、当時大学の友人に聞いてみたところ、
以下の様な回答が返ってきました。
中には何それ?っていう珍解答も・・・(笑)
- ブレンドではなく、純粋に一種類の豆だけでコーヒーを入れる喫茶店
- マスターしかコーヒーを入れない(バイトにまかせたりしない)喫茶店
- 男性の店員しかいない、純男性喫茶店
- 純粋にコーヒーや紅茶を愛する店員のみで組織された喫茶店
- スポーツ新聞を置かない喫茶店
- クラシックの曲しかかけない喫茶店
これ以外もまだ色々ありましたが、とりあえず覚えているところだけ。
「スポーツ新聞を置かない」 というのは・・・
一体何が”純”なんでしょうか?(笑)
それでは答えです、答えは・・・
『 アルコール類を出さない喫茶店 』 です。
純粋にコーヒーや紅茶を楽しむ、それが 純喫茶 なんです。
コーヒーを置くとき、左側に持ち手を置くのはなぜ?
純喫茶でバイトを始めた時、真っ先に教えられたのがこれです。
お客さんにコーヒーを出すときの カップとスプーンの置き方 です。
この置き方、違和感を持った事ありませんか?
なんで、わざわざ逆に置くんだろうって、思いますよね。
実は、このコーヒーの出し方は 「 フレンチスタイル 」 と呼ばれています。
その名前の通り、フランスから来ているようです。
元々、コーヒーをブラックで飲む習慣が無く、
基本的にミルクや砂糖を入れて飲むものだったそうです。
そう言われると確かに・・・
カフェオレやカプチーノ といえばフランスですよね。
コーヒーが普及した時代、今のグラニュー糖のような精製された砂糖は
普及していませんでした。
粗いザラメの様な砂糖 をコーヒーに入れて飲んでいたのですが、
この粗い砂糖を溶かすには、スプーンでかなりかき回さなければなりません。
その為に 左手でコーヒーカップを持ち、右手にスプーンを持って
かき回したそうです。
今でも、名残りでグラニュー糖の他に、粗い砂糖も置いてある喫茶店ってありますよね。
最近は、この「フレンチスタイル」で出す喫茶店が減ってきたように思います。
少し寂しいですね。
銀ブラとコーヒーの関係??
「 銀ブラ 」 という言葉を、聞いたことがありますか?
” 銀座をショッピングや、食べ歩きなど、ぶらぶら街歩きする事”
という意味で使われています。
実際には、「銀ブラ」っていう言葉、全く使いませんが・・・(笑)
実は、この「 銀ブラ 」には、別の説があるんです。
最近、テレビで頻繁にとりあげられているので、ご存知の方も多いかもしれませんね。
それは、銀ブラの語源は
”銀座のパウリスタ(喫茶店)でブラジルコーヒーを飲む”
というところから出た略語というものです。
テレビの影響か、すっかりこっちの説が正解の様に語られていますが
あまり根拠は無いようです。
さて、どちらが最初だったんでしょうね?
銀座カフェパウリスタ、今でも健在です。
珈琲(コーヒー)の伝来と普及
コーヒーが日本に伝わってきたのは、17~18世紀で、当時の日本は徳川幕府 江戸時代です。
この時代、日本は「鎖国(さこく)」をしていたので、唯一交易が認められていた長崎・出島のオランダ商館に持ち込まれたのが最初のようです。
今の日本語になっている「コーヒー」という呼び名も、オランダ語から来ているとの事。
一般大衆にまで、コーヒーが普及するのは、明治時代以降 となります。
コーヒーハンター川島良彰さん
珈琲(コーヒー)の話しが出る時、この方の話をしないわけにはいきません。
恐らく 世界で最もコーヒーを知っている方 だと思います。
世界中のコーヒー農園を2,000以上も訪ね歩いたとのこと。しかも豆の買い付けだけでなく、農園自体の開発や栽培技術の指導にも携わったというから驚きです。
Youtubeに川島さん自身が、美味しいコーヒーの淹(い)れかたを紹介されています、これは必見です!
水のphにまでこだわりをもたれているというのはさすがです。
これを見てから、今まで「完全ネルドリップ派」だったのが「 粗引き&ペーパーフィルター」でも淹れるようになりました。
JALのファーストクラスのコーヒーにも革命をもたらした川島さん。
JALファーストクラスのコーヒーを目当てに、利用している航空会社を他社から変えた
という人もいるくらいです。
本当にコーヒーで世界を変えようとしています(笑)
素晴らしいですね。
ここまでは、珈琲のミニ知識的な内容でしたが、ここから効能などについても、簡単にご紹介していきたいと思います。
珈琲 と 「すい臓がん」 の関係
さて、コーヒーの効能を語る上で、「すい臓がん」は外せません。
コーヒーの効能に関するもので、最も混乱するのが
このすい臓がんに関してです。
コーヒーは、すい臓がんにとって
良いものでしょうか?
悪いものでしょうか?
1980年代に、アメリカの研究機関から
「コーヒー」が すい臓がんのリスクを上げる
という調査結果が出されました。
この研究結果により、長い間
「 コーヒーの摂り過ぎ ⇒すい臓がん 」
という事が常識として植えつけられてしまいました。
今でも、まだ コーヒーがすい臓がんの危険因子である といった情報は
あちらこちらで聞こえます。
ところが!
2007年に、日本癌学会の総会において・・・
厚生労働省研究班(主任研究者:津金昌一郎 国立がん研究センターがん予防・検診研究センター)により、驚きの研究結果がだされました。
コーヒーを高摂取している男性において
すい臓がんになるリスクが低い
この調査では、すい臓がんに関係があるとされている要因
- 年齢
- 肥満指数
- 運動
- 喫煙
- 飲酒
- 糖尿病歴
- 居住地域 など
これらを考慮しているので、信頼度としては高いものでした。
それでも、コーヒーを高摂取している女性には顕著な結果は出ずに
なぜ男性だけが出ているのか?
という点は不明のままです。
実はコーヒー以外の何か他の要因が関係している可能性も否めない
という結果となっています。
現在、この発表をした「 国立がん研究センターがん予防・検診研究センター 」での
最新の情報では・・・
コーヒーがすい臓がんのリスクを減らすとは、言い切っていません。
調査結果の事実は事実として、しかしそれだけで
コーヒーが男性のすい臓がんに効果がある
とは、言えないということなのでしょうね。
ただ、他国での研究成果などでも・・・
コーヒーの摂取がすい臓がんを低減させる可能性が高い
というのが現時点での、おおむねの意見の様です。
国立がん研究センターがん予防・検診研究センターのHPは、こちら
⇒ https://epi.ncc.go.jp/
珈琲 と その他のがん
さて、それ以外の「がん」についてですが・・・
現時点では、「 肝臓 がん 」「 大腸がん 」 のリスクを低減させる効果が
コーヒーにはあるということが、ほぼ確実だと言われています。
ただこれも、まだ現時点では「ほぼ」であり、はっきりとした確証がとれていないので
コーヒーを飲む習慣が無い人に、あえて飲む事を勧めるほどではないとの事。
なんだか歯切れが悪い研究結果ばかりですね・・・(笑)
コホート研究(追跡調査)の結果を受けて、
そのメカニズムがはっきりと解明されない限り
やはり可能性の一つでしかないとうことなのでしょうね。
コーヒーの効能
<糖尿病>
がん以外で、コーヒーの効能について確認されていることがあります。
それは、生活習慣病でもある 「 糖尿病 」を予防するというものです。
コーヒーの代名詞ともいえる、カフェインには、インシュリン分泌作用があります。
また、コーヒーに含まれているマグネシウムや、クロロゲン酸(ポリフェノール)にも
同じ様な作用があるのではないかと言われているそうです。
ただ、これもあくまでコホート研究での結果であり、なぜそうなのか?
という理由など具体的なメカニズムまでは、まだ明確な解答が得られていないようです。
うーん、またか!という感じですね(笑)
<ダイエット>
関連して、コーヒーがダイエットに良いという話も広く出回っています。
しかしながら、これも相反する研究結果があり、いいのか悪いのか、はっきりしていません。
<リラックス効果>
また、コーヒーの香りには リラックス効果 があり、その事ががん抑制効果 につながっているという研究結果があります。
淹(い)れたてのコーヒーの香りはなんともいえないですよね。
それに効能があるならば言う事なしですね。
コーヒー(抽出液)の栄養成分
栄養成分は以下の通りです。
<食品成分表より>(文部科学省)
※ コーヒー1杯(190ml)あたりの成分
コーヒーですからね、とりたてて滋養に優れている食品ではありません(笑)
よく、コーヒーの成分として、生豆や焙煎した豆自体の栄養素が紹介されていますが
それはあくまで豆自体を食べたらの話です。
ここでは、豆を中挽きにしてドリップした「 抽出液 」としての栄養成分です。
つまり、普段飲むコーヒーの栄養成分となります。
ここでの栄養成分は 「 ブラックコーヒー 」となりますので、砂糖やミルクが入ったものや市販のコーヒー飲料、インスタントコーヒーとは異なります。
危険!甘い缶コーヒー
さて、コーヒーの効能(がんのリスクが減る、糖尿病によいなど)について話してきました。
これはあくまで、その前提が 「ブラックコーヒー」の場合です。
自動販売機やコンビニ等で、缶コーヒーを購入し常飲されている方も多いかと思います。
缶コーヒーでも、最近はブラックが増えていますが・・・
ここでとりあげる缶コーヒーは、ミルク・砂糖がたっぷり入った甘い缶コーヒーです。
アメリカの研究で、「コーヒーがすい臓がんのリスクを高める」という結果が出た事を最初にお伝えしました。
後の研究結果との食い違いの原因が、コーヒーと共に摂られた「ミルク」や「砂糖」にあったのではないかと言われています。
甘い飲料は、胃にとどまらずにいきなり腸に入っていきます。
そうすると、インシュリンを出して血糖値を抑えようと「 すい臓 」がフル稼働させられる事となります。
こういった状態が続くことで、糖尿病になったり、すい臓がんになるケースが多いようです。
「コーヒーがすい臓がんや糖尿病に良い」と思って、甘いコーヒーを飲まれている方、
全くの逆効果ですので、ご注意下さい。
コーヒー関連その他の記事
コーヒー(珈琲)に関する、その他の情報については、こちらより
コーヒー(珈琲)に関するミニ知識・効能や誤解など(目次)
まとめ
簡単に以下にまとめてみました。
ブラックで楽しみましょう。
ブラックも慣れれば美味しいですし、豆の種類、焙煎の度合いの
違いなども味わえてより珈琲を楽しむ事ができます。
摂り過ぎはよくない
ブラックコーヒーであっても、逆に摂り過ぎは危険です。
様々な研究結果があって判断しにくいですが1日、3~5杯までを
限度とした方がよいようです。
淹れ立てを楽しみましょう。
時間が経つとん酸化してしまいます。 身体によくないのはもちろんですが酸味が強くなり香りも
薄れてしまいます。 淹れ立ての香りを楽しみながら適温のコーヒーを楽しみまし ましょう。
まだまだ珈琲(コーヒー)に関する話題はつきないですね。
また、その内、気が向いた時に書こうと思います。
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