ヱヴァンゲリヲン 新劇場版 序 あらためて見直してみて気づいたこと (2.シンジ、エヴァへの搭乗)


この内容は完全にネタバレになります。
映画をまだ見ていないという方は注意願います。

前回は、シンジがミサトに連れられてNERV(ネルフ)本部のあるジオフロントへの入り口に着いたところまででした。

【前回】ヱヴァンゲリヲン 新劇場版 序 じっくり見たら見えてきたもの (1.シンジ登場~ネルフ到着)

今回は、ジオフロントへ降りていき、エヴァへの搭乗までのシーンを見てていきたいと思います。

 ジオフロントへ降りていく、ミサトとシンジのシーン

シンジ
「これから父のところへ行くんですか?」
ミサト
「そうね、そうなるわね」
シンジ
「父さん・・・」
ミサト
「あっ、そうだ。お父さんから、ID貰ってない?」
シンジ
「あっ、はい!どうぞ」
ミサト
「ありがと。じゃ、これ読んどいてね」

シンジ
「NERV(ネルフ)、(父さんの仕事)何かするんですか、僕が?
そうですね、用が無いのに父が僕に手紙をくれるはず無いですよね」
ミサト
「そっか、苦手なのね、お父さんが。あたしと同じね」
シンジ
「え?」
シンジ
「すごい!本当にジオフロントだ!」
ミサト
「そう、あれが私たちの秘密基地、NERV(ネルフ)本部。世界再建の要、人類の砦となるところよ」

 シンジが過去の自分を振り返るシーン

・大きなボストンバッグ
・ウォークマン(S-DAT)
・泣きじゃくる幼い自分


父親に連れられて、ここで別れる(シンジからしてみれば父親に捨てられる)というシーンです。

シンジのシャツが肩からズリ落ちたままなので、恐らく、母親はその場にはいないのだろうということも、なんとなく想像させるワンカットです。

電車や駅のホームが、シンジにとってトラウマになっている。そんなことを匂わせている、かなり重要なシーンと言えます。

個人的にも、このシーンは特徴的で非常に面白いところだと思っています。
過去の自分の記憶がフラッシュバックされるシーンということで、カラーはセピア色で表現されています。

面白いのは、このシーンの視線は誰かというと、泣きじゃくるシンジを見ているのですから、当然シンジ自身が過去に見た光景であるはずがありません。
では誰の視線かというと、これは父親であるゲンドウからの視線です。
ゲンドウの視線が自分自身を俯瞰して見る目として、シンジのメタ認知的な視点に立っているように描かれています。

すごく不思議(不自然)な光景ですが、ゲンドウの視点ということを特に意識せず、ただシンジを見るカメラの視点として描かれている様になっていて、シンジの記憶ということを意識させられない感じになっています。

それでも、過去の父との別れがトラウマになっているということを、ワンカットで伝えている、ものすごく力のあるシーンになっていて、非常に興味深いシーンです。

 シンジがミサトにIDカードとゲンドウからの手紙を渡すシーン

 ゲンドウからの手紙

父と幼い頃に駅のホームで別れたということを思い起こさせるフラッシュバックに続いて、父との確執を伝えるシーンとなっています。

その手紙には、太いマジックで、なぐり書きされていて「来い  碇ゲンドウ」と、たった一言だけ書かれています。
しかも、書かれている紙が便箋等のちゃんとした手紙ではなく、仕事で使った用済みの機密資料の紙の再利用です。

廃棄された機密資料なので、読めないように黒く塗りつぶされた箇所が多々ある、その紙の無地のスペースに用件が書かれているという、かなり乱暴なもの。

恐らくこれを受け取ったシンジが、一度は反発したことが伺えます。父の書いた文字を赤ボールペンで消そうとした跡や、紙自体をくしゃくしゃにしたため、破けてしまった多くの箇所をセロハンテープで補修しようとしたことが見て取れます。

そんな紙を見ても、驚きもせず、 まゆ一つ動かさないミサト。
同じく父との確執を持つから、そして、碇ゲンドウの性格を知っているから、驚きもしないということなのでしょうか。

IDカード 

シンジのIDカードの番号が、NCC-1701A となっています。
これはスタートレックのエンタープライズ号の識別番号です。
 
庵野監督、インタビューで「好きなもの全部をエヴァに入れた」と語っていますが、特撮好きの庵野監督が少年時代に見ていたのでしょう。
このあたりは、作者の遊び心が感じられます。

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 リツコ 、父ゲンドウとの対面、エヴァに搭乗するシーン

ミサト
「う、あらリツコ」

リツコ
「到着予定時刻を12分もオーバー。あんまり遅いから迎えに着たわ。葛城二佐。人手もなければ、時間も無いのよ」

ミサト
「ごめん」

リツコ
「例の男の子ね」

ミサト
「そう」

リツコ
「技術局第一課 E計画担当責任者 赤木リツコ、よろしくね」

シンジ
「あ、は、はい」

 気になるミサトのピアス そしてお約束のお色気シーン

 ミサトのピアスがゴールド(大)から、シルバー(小)へ

ジオフロントへ降りてきたら、ミサトのピアスが変わっています。(ゴールドの大きな丸型のぶら下げタイプから、シルバー/プラチナの小さな球状のタイプへ)
何か意味があるのでしょうか? 単純に描くのが大変だったから??

 リツコの登場シーン

リツコの初登場シーンは、第7ゲートの注水プールから上がってきてスキューバダイビング用のスーツを脱ぐ、ちょっとセクシーなシーン
大人の女性が登場する時のお約束!?

 機械仕掛け大好き、そしてリアルへのこだわり

庵野監督のこだわり、 エレベーター内の計器のシーン。
これだけ科学が発達しているのにダイヤル式のカウンターが付いている機械仕掛けのメーター。

宇宙戦艦ヤマト好きを公言する庵野監督、宇宙戦艦ヤマトで、地下都市へ降りていくエレベーターの放射線感知器の様なものが、未来であるにも関わらず、どこか機械仕掛けのカウンターの様な動きをしているレベルメーター的な感じがしたのが、何気に思い起こされます。
そして必ず検品マーク(校正証)のシールが貼られています。

こういった計器類では、必ずメーカー等により新品納品時に検品がされます。また定期的に校正が実施されていて、その認証が分かるようなシールが貼られています。

それがないとリアルではないという、庵野秀明監督のこだわりが垣間見れるシーンです。

また、エレベーターの扉の開き方、閉まり方もセーフティーシューの動きや構造が、ものすごくリアルに描かれています。
ゲンドウ
「では、後を頼む」

冬月
「3年ぶりの対面か」

NERVスタッフ
「副指令、目標が再び移動を開始しました」

冬月
「分かった。総員第一種戦闘配置!」

リツコ
「碇シンジ君、あなたに見せたいものがあるの」

シンジ
「うわ、あ・・・あ・・・」

リツコ
「人の作り出した究極の汎用人型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリヲン。その初号機、我々人類の最後の切り札よ」

シンジ
「これも父の仕事ですか」

ゲンドウ
「そうだ・・・久しぶりだな」

シンジ
「父さん」

ゲンドウ
「フ・・・出撃」

ミサト
「出撃?零号機は凍結中でしょう?・・・まさか、初号機を使うつもりなの!?」

リツコ
「他に道は無いわ」

リツコ
「碇シンジ君?」

シンジ
「あ、はい」

リツコ
「あなたが乗るのよ」

シンジ
「え?」

シンジ
「父さん、なぜ呼んだの?」

ゲンドウ
「お前の考えている通りだ」

シンジ
「じゃあ、僕がこれに乗って、さっきのと戦えって言うの!?」

ゲンドウ
「そうだ」

シンジ
「嫌だよそんなの!何を今更なんだよ!父さんは僕が要らないんじゃなかったの!?」

ゲンドウ
「必要だから呼んだまでだ」

シンジ
「なぜ、僕なの?」

ゲンドウ
「他の人間には無理だからな」

シンジ
「無理だよ、そんなの!見たことも聞いたことも無いのに!出来るわけ無いよ!」

ゲンドウ
「説明を受けろ」

シンジ
「そんな・・・出来っこないよ!こんなの乗れる訳無いよ!」

ゲンドウ
「乗るなら早くしろ。でなければ、帰れ!」
使徒が攻撃を始める

ゲンドウ
「奴め、ここに気付いたか」

リツコ
「シンジ君、時間が無いわ」

ミサト
「乗りなさい」

シンジ
「嫌だよ、せっかく来たのに・・・こんなの無いよ!」

ミサト
「シンジ君、何のために、ここに来たの?だめよ逃げちゃ。お父さんから、何よりも自分から」

シンジ
「分かってるよ、でも、出来るわけ無いよ!」

ゲンドウ
「冬月、レイを起こしてくれ」

冬月
「使えるかね?」

ゲンドウ
「死んでいるわけではない」

冬月
「分かった」

ゲンドウ
「レイ」

レイ
「はい」

ゲンドウ
「予備が使えなくなった、もう一度だ」

レイ
「はい」

リツコ
「初号機のコアユニットを、L-00タイプに切り替えて再起動!」

マヤ
「了解、現作業を中断、再起動に入ります」

シンジ
「(やっぱり僕は、要らない人間なんだ)」

レイ
「きゃあ!」

シンジ
「大丈夫ですか!?」

レイ
「はうぅ!くぅ・・・くぅ!はぁ・・・はぁ・・・」

シンジ
「(逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ、逃げちゃダメだ)」

シンジ
「やります、僕が乗ります!」

 エヴァの格納庫がハンガー(Hangar)ではなくケージ(Cage)

エヴァ初号機が格納されているのが、No.7 Cage(第7ケイジ)、普通、飛行機などを格納する格納庫は英語でHangar(ハンガー)と言いますが、英語でCage(ケイジ)は、かご とかおり を意味するもの。

つまり、鳥や動物といった生き物を入れておくものを指しています。
エヴァンゲリヲンが、ロボットではなく生命体であることを伝えていることにもなります。

 高い位置、逆光位置の父ゲンドウ

ゲンドウは、基本的に高いところからシンジを見下ろすか、後ろから後光が射す状態で、シルエットしか見えないという登場のシーンで、以降、若干のパターンの違いこそあれ、基本的な定番になります。
このシンジとの物理的な位置関係、視覚的な状態が、そのままゲンドウとシンジの精神的な、内面的な位置関係となっているところが面白いところです。

また、その前のシーンでは、国連軍から戦闘の指揮権がNERV(ネルフ)に移す際には、やはり国連軍のお偉いさん方が高いところからゲンドウに指示を出しています。

縦型社会、権威主義そういったものを、絵的に分かりやすく伝えている定番スタイルといってもいいのかもしれません。

 舞台仕立ての演出

アンビリカルブリッジと呼ばれるエヴァを固定する橋脚の、真ん中の連結部にシンジが立ち(ちょうどエヴァ初号機の中心の位置)、その両側にシンジを中心に対称となるようにリツコとミサトが立っています。
それは、まるで舞台でバミっているような感じです(立ち位置を指定)。

そして、シンジがエヴァに乗らないと判断すると、リツコとミサトが互いにシンジに背を向けて、それぞれ左右に歩き出すという、まるで舞台仕立てになっているところが面白い演出になっています。

また、リツコは、さっさとシンジに見切りをつけて離れていくのに対し、ミサトはやや遅れて離れていくところに、彼女たちの性格が出ているのも、にくい演出だと思います。



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【前回】ヱヴァンゲリヲン 新劇場版 序 じっくり見たら見えてきたもの (1.シンジ登場~ネルフ到着)




【次回】ヱヴァンゲリヲン 新劇場版 序 繰り返し見て分かったこと(3.シンジの戦い~心象風景)

  

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